スズキコージの絵が素晴らしい。奥行きが深く迫力がある絵にぐいぐい引き込まれます。とくにお話が急展開する場面のくまの表情は本当に恐ろしく感じられるほど見事です。
お話は、北ヨーロッパのバルト三国のひとつであるラトビアの民話をうちだりさこが再話しました。登場人物(動物)やエピソードが次々とつながっていく形式のお話です。累積譚というそうです。「ぐるぐる話」とも呼ばれ、同じ言葉が繰り返されて順序通り正しく続いていきます。子どもたちはすぐ覚えて、口に出して楽しめるでしょう。
この絵本は、もともと「こどものとも」1975年9月号として出版されました。その後、「こどものとも年中向き」1991年3月号として再版され、今回3度目の登場となりました。古さを少しも感じさせない名作絵本です。
文章と絵が的確な相乗効果を生み出しています。前半のゆっくりしたペースは後半にアップテンポとなって結末を迎えます。誰もが最後まで目を離すことなく読み終えてしまう絵本です。
ひつじかいとうさぎ(こどものとも年中向き2017年11月号)
ラトビア民話
うちだりさこ 再話
スズキコージ 画
福音館書店
1975年9月1日「こどものとも」第1刷発行
2017年11月1日「こどものとも年中向き」第2刷発行
本体389円+税
本体389円+税
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