メキシコにはディア・デ・ムエルトスというお祭りがあるそうです。先祖を偲ぶ行事で、日本のお盆とよく似ています。この絵本では楽しいお祭りのようすが、アンヘリータという少女を通して描かれています。木版画の多色刷りと思われる絵から、人と人をつなぐぬくもりが感じられます。
アンヘリータはおかあさんと一緒に小さな村で暮らしています。遠くの大きな町で働いているおとうさんは、たまにしか帰ってきません。ある朝、アンヘリータはおかあさんから、センパスチルという花をたさくさん摘んで来るように頼まれます。ご先祖様をお迎えするため、ディア・デ・ムエルトスの日の祭壇に飾るのです。
アンへリータは「ごせんぞさまって なに?」と聞きました。おかあさんは「ずーっと むかしから つづいている かぞくのことだよ」と教えてくれました。去年亡くなったおばあちゃんも、アンリヘータのご先祖様です。アンリヘータは大好きだったおばあちゃんのことが気になっているようです。
アンへリータとおかあさんが街に買い物に出かけると、屋台がたくさん並び、店の飾り付けも賑やかです。日本のお祭りと違うところは、死のシンボルであるガイコツの飾りがいたるところにあることです。付録の解説は、これらのガイコツは死が恐怖ではなく、ユーモアや敬愛の対象として捉えられていることの表れといっています。アンへリータはディア・デ・ムエルトスをきっかけに、おばあちゃんはいつもそばにいてくれると感じるようになりました。
アンヘリータとおばあちゃん-メキシコのおぼん ディア・デ・ムエルトス(こどものとも2017年11月号)
直江みちる ぶん
今井俊 え
福音館書店
2017年11月1日発行
本体389円+税
本体389円+税
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