ヒヨドリの渡りのようすが描かれています。身近な野鳥のヒヨドリですが、渡りをするとは知りませんでした。ヒヨドリは公園や人家の庭などで1年中みることができるからです。
付録の解説によると、日本ではすべてのヒヨドリが渡りをする訳ではないようです。関東地方では、年を通じて同じ場所で生活するヒヨドリもいれば、渡りのときに通過したり、秋になって他の地域からやってきて冬の間だけそこに留まるヒヨドリもいるそうです。「関東以西の地域では、冬になるとヒヨドリが増えたように感じることが多いはず」とも書いてありますが、正直なところ気づいていませんでした。
ヒヨドリの渡りでは、海を越えることもあるそうです。海を渡るときは大きな群れになることもあり、その場合、この絵本が描くようにハヤブサに狙われることも少なくありません。ハヤブサにみつかると途中で戻って来てしまうこともあるそうで、そうした動きが何度か繰り返されることもあるようです。
お馴染みのヒヨドリの意外な行動に驚いてしまいました。絵は版画で丁寧に描かれています。消しゴム判子も使われています。群れを描くときは判子を数個作ってポンポンと押していけば簡単と考えたそうですが、結局、大小さまざまなポーズで描きたくなり、ヒヨドリの灰色部分の判子だけでも100種類以上作られました。ヒヨドリがいきいきと描かれた背景には、絵本作家のそうした努力が隠されています。
きょうはたびびより(ちいさなかがくのとも2017年10月号)
とうごうなりさ さく
福音館書店
2017年10月1日発行
本体389円+税
本体389円+税
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