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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年12月20日金曜日

【本の紹介】ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性




 爬虫類の研究者として活躍したイギリス人女性の伝記絵本です。研究者というより、トカゲやヘビ、そしてワニを心から愛した人という方が相応しいと思います。
 ジョーン・プロクターは学校から帰ると、部屋にこもって爬虫類の観察に熱中しました。16歳の誕生日には、ワニの赤ちゃんをプレゼントにもらって大喜び。紐を結び、リボンをつけてお散歩にも連れていきました。
 やがてジョーンは自然史博物館の学芸員助手として働くようになり、その後、ロンドン動物園の爬虫類担当の学芸員になります。ロンドン動物園では世界最大のトカゲといわれるコモドドラゴンの飼育に成功し、注目を集めます。大勢の記者たちが取材に来ましたが、聞かれることは「かまれたことはありますか?」「こわくありませんでしたか?」「は虫類館のせきにん者は女の人だそうですね。いったい、どんな人なんですか?」といったことばかり。ジョーンは肝心のコモドドラゴンに関心を持ってもらえないことが悲しくなりました。
 実話に基づく絵本です。ユーモラスに描かれた絵から、爬虫類に対するジョーンのやさしさが伝わります。ジョーンにとってコモドドラゴンは大切な友だちでした。お散歩やお茶の時間も一緒に過ごしました。残念なことに、ジョーンは病気のため、34歳の若さで亡くなっています。(店主)

ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性
パトリシア・バルデス 文
フェリシタ・サラ 絵
服部理佳 訳

岩崎書店
2019年5月31日発行
本体1600円+税

2019年12月19日木曜日

クリスマス絵本でTSUTAYAモリシア津田沼店とコラボ!





 TSUTAYAモリシア津田沼店のクリスマス絵本のコーナーに、くわのみ書房が選んだ絵本が並んでいます。お近くまでお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください。
 数あるクリスマス絵本の中からお気に入りを見つける際のお手伝いになればうれしく思います。ささやかな書店同士のコラボですが、これをきっかけに絵本のつながりがますます広がっていくことを願っています。(店主)

「村上春樹の絵本を読む会 」を開催しました!




 くわのみ書房は「村上春樹の絵本を読む会 vol.5」を12月14日(土)に開催しました。今回のご参加はお二人でした。
 クリスマスが近いので、今回選んだ絵本は「急行「北極号」」(絵と文 C・V・オールズバーグ、訳 村上春樹、あすなろ書房)です。クリスマス・イブの夜中、サンタの存在を信じる子どもの前に汽車が現れます。その名は急行「北極号」。子どもはパジャマの上にはおったローブのまま、北極点を目指すという汽車に乗り込みます。
 北極点ではサンタが待っていました。子どもは望み通り、サンタのそりについた銀の鈴をプレゼントにもらい、ローブのポケットに入れます。でも、北極号に戻るとプレゼントが消えています。ローブのポケットに穴が開いていたのです。
 安心してください。最後に鈴は子どもの手元に踊ります。鈴の音は大人には聞こえないようです。その子どもには大人になっても鈴の音が届きました。「心から信じていれば、その音はちゃんと聞こえるんだよ」。あなたにも聞こえますか? (店主)

【本の紹介】父さんがかえる日まで




 子どもの成長を幻想的に描いた絵本です。迫力のある絵が読む人を深みのある世界に引き込みます。語られていない物語が潜み、本を閉じた後もその余韻を楽しめるような気がします。
 船乗りの父親が海を渡る旅に出たあと、帰りを待つ母親はじっと遠くを見つめるばかり。少女のアイダはまだ赤ん坊の妹の面倒をみなければなりません。
 いたずらな妖精のゴブリンが妹をさらってしまいました。さあ、たいへん! 妹を取り返すため、アイダの活躍が始まります。
 この絵本のオリジナルは1981年の作品です。作者のモーリス・センダックは自らこの絵本について、1963年の「かいじゅうたちのいるところ」、1970年の「まよなかのだいどころ」と合わせて「絵本の三部作」と呼んでいるそうです。日本では1983年に「まどのそとのそのまたむこう」(福音館書店)のタイトルで出版されていましたが、タイトルを改めて再刊行されることになりました。(店主)

父さんがかえる日まで
モーリス・センダック さく
アーサー・ビナード やく

偕成社
2019年12月発行
本体2000円+税

2019年12月18日水曜日

【本の紹介】ばらいろのかさ




 大人のラブストーリーの絵本です。淡いタッチの絵から優しい気持ちが伝わります。愛らしく、きらきらと輝く太陽のようなアデラ。礼儀正しく、しっかりした若者のリュカ。ドキドキしながら二人の恋の行方を見守りましょう。
 アデラは村に一軒しかないカフェを営んでいます。そこは村のみんなが出会うもうひとつの「家」。村にとってなくてはならないものでした。アデラはいつも花束をつくります。市場から花を運ぶのは八百屋のリュカです。リュカは水曜日と日曜日の週2回、アデラのカフェにやってきます。水曜日にはカフェの中に出店を開きます。
 ある水曜日のこと。アデルが店を締めて掃除を始めると、コートかけの下にばら色の長靴があることに気がつきます。アデルにぴったりのサイズです。誰かの忘れ物でしょう。でも持ち主は見つかりません。次の水曜日には、ばら色のレインコートがありました。そしてまた次の水曜日には、ばら色の傘が置かれていました。その日は雨でした。
 アデラは雨が苦手です。でも、ばら色の長靴をはき、ばら色のレインコートを着て、ばら色の傘をさして外に出れば、雨が降っていても胸が弾みます。アデルは、泥にはまって動けなくなったトラックのかげに、びしょぬれのリュカを見つけました。ばら色の傘の下、あたたかい光が二人を包みます。(店主)

ばらいろのかさ
アメリー・カロ 文
ジュヌヴィエーブ・ゴドブー 絵
野坂悦子 訳

福音館書店
2019年6月15日発行
本体2300円+税

2019年12月14日土曜日

【本の紹介】でてきたでてきた はっぱのあかちゃん(かがくのとも2020年1月号)




 秋の深まりとともに葉を落とす木があります。葉が落ちた枝をよく見ると、冬芽を見つけることができます。
 春になると、冬芽はほころび、葉っぱの赤ちゃんが顔を出します。そして、ぐんぐん大きくなります。この絵本の作者の高柳芳恵さんによると、冬芽は「木の命が凝縮しているところ」。小さな冬芽のどこにそんなエネルギーがあるのだろうと感嘆しています。
 公園や森では、この絵本の主人公のクルミの木以外にも、たくさんの冬芽たちが春が来るのを待っています。春になれば木は根っこから水を吸い上げ、冬芽に届けます。すると冬芽たちが動き出し、葉っぱの赤ちゃんが出てきます。もう少しあたたかくなれば、大人の葉っぱに成長していきます。
 絵は水彩画で描かれています。力強く丁寧な描き方が、鮮烈な命のエネルギーを表現していて見事です。冬から春への季節の移り変わりが、いっそう楽しみになりました。(店主)

でてきたでてきた はっぱのあかちゃん(かがくのとも2020年1月号)
高柳芳恵 ぶん
松江利恵 え

福音館書店
2020年1月1日発行
本体400円+税

2019年12月13日金曜日

【本の紹介】ついておいで(こどものとも0.1.2. 2020年1月号)




 表紙の絵はおかあさんが子どもを連れ歩く姿を描きます。おかあさんは心の中で「ついておいで」と呼びかけ、子どもはそれに一生懸命応えようとしているのでしょう。お互いを見つめ合い、しっかり手をつないだようすから、子どもの安心し切った気持ちが伝わります。
 表紙をめくると動物の親子がつぎつぎと登場します。おかあさんが「ついておいで」と呼びかけ、子どもはそれに応えます。親の眼差しがとてもやさしい。言葉は無くても、親子の会話が聞こえてくるようです。
 子どもは親についていくことで成長します。ついていけば、楽しいこともつらいこともあるでしょう。しばらくは親に守られながら、やがて独り立ちして歩き始め、次に誰かを守る立場になります。
 この絵本の子どもは最後に、もう予行練習を始めました。「ついておいで」と声をかけて、あとからついてくるのは、さて誰でしょう。(店主)

ついておいで(こどものとも0.1.2. 2020年1月号)
やすえりえ 文
でくねいく 絵

福音館書店
2020年1月1日発行
本体400円+税

【本の紹介】僕への小さな旅

 小さな旅の絵本です。子どものころに暮らした海辺の町に帰る旅です。青い空と海の水平線が鮮やかに描かれています。  夏休みを過ごした古い洋館は、おばあさんの家でした。屋根裏の部屋に残されたおもちゃ箱の中に見つけた赤いボタンは、くまのぬいぐるみのチョッキについていたもの。くまの「モル...