秋の深まりとともに葉を落とす木があります。葉が落ちた枝をよく見ると、冬芽を見つけることができます。
春になると、冬芽はほころび、葉っぱの赤ちゃんが顔を出します。そして、ぐんぐん大きくなります。この絵本の作者の高柳芳恵さんによると、冬芽は「木の命が凝縮しているところ」。小さな冬芽のどこにそんなエネルギーがあるのだろうと感嘆しています。
公園や森では、この絵本の主人公のクルミの木以外にも、たくさんの冬芽たちが春が来るのを待っています。春になれば木は根っこから水を吸い上げ、冬芽に届けます。すると冬芽たちが動き出し、葉っぱの赤ちゃんが出てきます。もう少しあたたかくなれば、大人の葉っぱに成長していきます。
絵は水彩画で描かれています。力強く丁寧な描き方が、鮮烈な命のエネルギーを表現していて見事です。冬から春への季節の移り変わりが、いっそう楽しみになりました。(店主)
でてきたでてきた はっぱのあかちゃん(かがくのとも2020年1月号)
高柳芳恵 ぶん
松江利恵 え
福音館書店
2020年1月1日発行
本体400円+税
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