大人のための寓話です。戦争が私たちに何をもたらすか、とてもシンプルに描きます。戦争は、世界のあらゆるものを破壊してしまうのです。
人間が暮らす町、都市、村が地上から消え、森も林も全滅します。庭も芸術作品も失われ、人間は男も女も子どもたちも、惨めな存在になってしまいました。
何をするでもなく、ぼんやり座り込むだけの人間。歳月が過ぎ、生き残った数人の将軍たちは、最後の戦争が何のためだったのかすら、もう思い出せません。ある日、それまで花を一度も見たことのなかった若い娘が、たまたま世界に残った最後の花を目にします。そして、そこからまた、新しい歴史が始まります。
でも、人間は何と愚かなのでしょう。再び戦争になり、ありとあらゆるものが破壊されてしまうのです。ただ、一人の男性と一人の女性、そして一本の花を除いて。私たちが希望を失うことはないのです。(店主)
世界で最後の花 絵のついた寓話
ジェームズ・サーバー
村上春樹 訳
ポプラ社
2023年6月12日発行
定価:本体1600円[税別]
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