大地のクジラの物語です。鮮やかに変化する色彩が、私たちを別世界に誘います。
子どもがつまらなそうに歩いています。名前は「カイ」。浮かない顔をしているのは、楽しみにしていた水族館に行けなくなったから。今日はカイの大事な日なのに、パパもママもお仕事のようです。
カイが「つまんない」といって地面を蹴とばすと、「イテテ」という声とともに、クジラが現れました。「ぼくは アメツチクジラ。だいちの クジラさ」と話すクジラは、カイを地底の世界に連れて行きます。色鮮やかな大地の海を進み、行き着いた真っ暗闇の世界には、おじいさんのアメツチクジラも暮らしていました。アメツチクジラは、はるか大昔からカイたちを見守り、その記憶を私たちに届けるため歌い続けているのです。
生命はいつも誰かに愛情深く見守られていることを教えてくれる絵本です。アメツチクジラは、今日がカイの大事な日である理由も知っていました。(店主)
アメツチクジラ
宮田ともみ
アリス館
2023年7月7日発行
定価(本体1,500円+税)
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