おばあちゃんと子どもの交流を描いた絵本です。おばあちゃんは、もとはニワトリ小屋だった家に一人で住んでいます。家の裏には庭があり、そこではトマトやキュウリ、ニンジン、そしてリンゴが採れました。
子どもは毎朝早く、おとうさんの車でおばあちゃんの家に届けられます。そして、朝食を食べ、おばあちゃんに送られて学校に行きます。雨が降ると、おばあちゃんは学校に行く途中、ミミズを探して集めます。ミミズは野菜の畑の土をふかふかにし、養分が行き渡るようにしてくれるのです。
この絵本の子どもは作者の一人、ジョーダン・スコット自身です。彼のおばあちゃんはポーランドで生まれ育ち、第2次世界大戦後、夫とともにカナダへ移住しました。そのため英語は上手に話せなかったようです。交わす言葉は少なくても、二人は身振りや手振り、そして共通の関心事だった食べることを通じて、心を通わせることができました。
やがて、おばあちゃんは家を出て、子どもの家で一緒に暮らすようになります。窓の外は雨。おばあちゃんは、もう外には出られないようです。子どもは雨の中で、おばあちゃんに手を振りました。そして、かつておばあちゃんがしたように、ゆっくり歩きながらミミズを集めるのです。(店主)
おばあちゃんのにわ
ジョーダン・スコット 文
シドニー・スミス 絵
原田勝 訳
偕成社
2023年7月発行
定価[本体価格1600円+税]
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