独特な雰囲気を持った絵本です。絵はシンプルながら対象を大胆にデフォルメして描き、紫色を主体にした色使いで読む人を絵本の世界に引き込みます。
自分探しの旅を続けるいもむしの物語です。いもむしを見つけて「すてき」といったのは、たぶん人間でしょう。人間はそのまま去ってしまいますが、いもむしは「すてき」って何なのか、気になり始めます。
「すてきって、なんだろう?」。いもむしは、くまやりす、ねずみなど森の動物たちに聞いてまわります。でも、からすが邪魔をして、なかなか答えは得られません。からすはいもむしを食べてしまおうと狙っているのか、どこまでもついてきます。
いろいろな動物たちが、自分だけが「すてき」と思えるものを持っていました。でも、みんなと分かち合える「すてき」を見つけたとき、動物たちの心に何か変化が起こったようです。もちろん、「すてき」を見つけたいもむしも、きっと新しい自分を見つけることができたと思います。(店主)
すてきってなんだろう?
アントネッラ・カペッティ ぶん
メリッサ・カストリヨン え
あべけんじろう あべなお やく
きじとら出版
2019年9月15日発行
本体1800円+税
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