小学5年生の女の子が主人公のお話です。思春期間近の子どもの心情が瑞々しく描かれます。
主人公の名前は穂乃果。作文の授業で「わたしの一番すきな場所」というテーマが与えられ、穂乃果は自分の家のリビングルームの窓を思い浮かべます。
窓から電車が見えるのです。穂乃果は、いつも同じ時間、同じ電車に乗っているおじいさんが気になっていました。おじいさんも窓越しにみている穂乃果に気づいたのか、いつのころからか手を振るようになっていました。結局、穂乃果は、作文には窓ではなく、駅前の小さな公園のことを書きました。そして、その小さな公園で、穂乃果はおじいさんと出会うことになるのです。
おじいさんとの出会いから、穂乃果の世界は少しずつ広がり始めます。揺れ動く子どもの心が伝わります。表紙の絵を含め、素敵な装丁も魅力的です。(店主)
窓の向こう、その先に
田村理江 作
北見葉胡 絵
岩崎書店
2024年11月30日発行
定価(本体1,500円+税)
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