この絵本は「死」を描いています。でも、死は「生」の先にあり、死を描くことは生を描くことにほかなりません。この絵本を通じて、子どもたちに生きることのエネルギーを感じ取ってほしいと思います。
「わたし」と、わたしのばあちゃんが登場します。ばあちゃんは大きくて動きも速く、髪の毛も長い。生のエネルギーに満ち溢れています。でも、やがてばあちゃんは小さくなり、髪の毛も短くなり、手も足も細くなってしまいます。
ばあちゃんはいつも布団の中にいるようになりました。わたしも布団に入り、ばあちゃんと一緒に寝るようになります。ある日突然、ばあちゃんは元どおりの姿になって旅立ちます。わたしも一緒に着いていきます。着いたところは「ばあちゃんのくに」。わたしはそこで、命のつながりを知ることになります。
詩人の伊藤比呂美さんが文章を書き、MAYA MAXXさんが絵を描きました。作者お二人のエネルギーが合わさって炸裂したような迫力を感じさせる絵本です。(店主)
ばあちゃんがいる(こどものとも2019年9月号)
伊藤比呂美 文
MAYA MAXX 絵
福音館書店
2019年9月1日発行
本体407円+税
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