千葉市の絵本・児童書専門店の会留府で9月13日に開かれた「YAの本を読む会」に参加しました。今回取り上げた作品は、映画にもなったベストセラー作品の「Wonder ワンダー」(ほるぷ出版)です。
顔に障害をもった少年の物語です。名前はオーガスト。オギーと呼ばれることもあります。幼いころから手術を重ねてきたこともあり、学校には行くことなく過ごしてきました。10歳になり、中等部1年になるタイミングで両親はオーガストを学校に入れる決心をします。学校という社会で顔の異形はどう受け止められるのか。不安を抱えながらオーガストは新しい生活をスタートさせます。
オーガストだけでなく、他の登場人物の語りもある構成です。読者はそれぞれの登場人物を自分と重ね合わせて読むことができそうです。ハッピーエンドで終わり、出来過ぎの終わり方に多少の物足りなさを感じながらも、十分な満足感を得て本を閉じることができました。
この物語はフィクションですが、作者は実際に、顔に障害のある子どもと出会ったことをきっかけにこの作品を書き上げたそうです。多くのことを私たちに問いかけている作品ですが、その答えを早急に出す必要もありません。むしろ、じっくり時間をかけて考えることが大事だと、この作品はいっているように思います。(店主)
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