お月さまのこよみ絵本
理論社
本体1400円+税
千葉望 文
阿部伸二 絵
今の日本は世界の多くの国々と同じように、お日さまの動きをもとに作られたこよみを使っています。こよみとはカレンダーのことです。でも昔の日本はお月さま中心に作られたこよみを使っていました。古い時代に中国から伝わってきたこよみで、「旧暦」と呼ばれています。日本では1872年(明治5年)に、お日さま中心の「新暦」に改められました。
お日さまのこよみは1年365日が基本で、4年ごとに366日になる、うるう年があります。お月さまのこよみでは、お月さまの形の変化がひとめぐりするおよそ29.5日を1カ月としていたそうです。12カ月で354日ですが、お日さまのこよみに比べると11日足りません。3年で1カ月以上足りなくなります。そのため、19年に7回の割合で1カ月を足していました。お月さまのこよみとお日さまのこよみでは時期的に大きなずれがあるのです。
日本で古くから受け継がれてきた年中行事は、お月さまのこよみに従って行われてきました。お日さまのこよみに親しんだ私たちは、どうしてこの行事がこの時期に行われるのか不思議に思うことがしばしばあります。お月さまのこよみを知ると、その疑問が解けるようになります。季節ごとの行事も一層楽しめるようになるでしょう。
この絵本はお月さまのこよみについてわかりやすく解説しています。イマドキの大人にとっても、教えられることの多い絵本です。季節ごとの行事を景色の移り変わりの中で追いかけて行けば、私たちの生活を改めて見つめ直すことになるでしょう。
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