ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年2月23日木曜日

【本の紹介】走れ‼︎ 機関車



走れ‼︎ 機関車
偕成社
本体2400円+税
ブライアン・フロッカ 作/絵
日暮雅通 訳

 迫力満点の大型絵本です。舞台はアメリカ合衆国の大陸横断鉄道。蒸気機関車が走る時代です。機関車に乗り込むのは母親、そして姉、弟の2人の子どもたち。3人とも不安と期待が混ざったような複雑な表情です。
 扉のページには「カリフォルニアノジュンビハ スベテ トトノッタ。デキルダケハヤク コラレタシ。パパヨリ」と書かれた電報があります。父親がネブラスカ州に残した家族をカリフォルニア州に呼び寄せているようです。電報の日付は1869年5月10日。母親たち3人は、同じ月の15日から通常運行が始まった大陸横断鉄道を使ってカリフォルニア州に向かうことになります。さあ、どんな旅になるのでしょう。
 この絵本にある解説は、アメリカ合衆国の東部と西部を結ぶ大陸横断鉄道はアメリカ人の生活を大きく変化させたと指摘しています。人や物、そしてアイデアの移動が容易になり、社会が活性化しました。また解説では、鉄道がもたらす変化を押し付けられた立場の人々たいたことも紹介しています。
 絵の迫力に圧倒されます。蒸気機関車や駅、線路、客車などのようすなどが丁寧に描かれています。作者のフロッカはこの作品で2014年のコルデコット賞を受賞しました。鉄道好きはもちろん、それ以外の子どもも、そして大人も楽しめる絵本です。

0 件のコメント:

【本の紹介】白さぎ

   少女の心のざわつきを繊細に綴る物語です。丁寧に描かれた挿絵が美しく調和し、物語の世界に奥行きを与えています。  少女のシルヴィアは祖母と二人、農場で暮らしています。8歳まで工場の町で暮らし、1年前に初めて農場にやってきました。野山歩きを好み、今では森の中を歩き回ることが好き...