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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2019年1月17日木曜日

【本の紹介】ちびこのおさん(こどものとも年少版2019年2月号)




 飼い猫の「ちびこ」が赤ちゃんを産んでおかあさんになりました。ちびこが赤ちゃんを産む場所に選んだのは、なんと「ぼく」のお布団の中。この絵本は作者の山口マオさんが自分の実体験をもとに描きました。
 ちびこは、ちょっとやせっぽちだけど、とてもやさしい三毛猫です。ときどき、飼い主の「ぼく」のお布団に入ってきます。一緒に寝ていると、気持ちよさそうにのどを「ゴロゴロ」鳴らします。
 ちびこのおなかが膨らんできました。おなかの中には赤ちゃんがいます。いよいよ赤ちゃんが産まれそうになった日、ぼくとおかあさんはちびこが赤ちゃんを産めるようにと段ボール箱を用意します。でも、ちびこは箱から出たり入ったり落ち着かないようす。ちびこはその夜、ぼくのお布団に入ってきて、そのまま赤ちゃんを産みました。
 ちびこのモデルは山口さんが子どものころに飼っていた猫の「チビ子」です。自分のお布団でチビ子がお産をするとは、山口さんは「ビックリ、ドキドキ」だったそうです。新しい生命が誕生するときの「ビックリ、ドキドキ」を大勢の人たちに感じ取ってもらえる絵本です。(店主)

ちびこのおさん(こどものとも年少版2019年2月号)
山口マオ さく

福音館書店
2019年2月1日発行
本体389円+税

営業を再開しました!




 くわのみ書房は1月17日(木)から営業を再開しました。定休日を含め、11日(金)から16日(水)まで臨時休業しておりましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
 店主の用事と風邪による体調不良が重なりました。ご心配、ならびにご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げる次第です。今後はさらにいっそう体調管理に注意したいと思います。これからも引き続き、くわのみ書房をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。(店主)

2019年1月9日水曜日

【本の紹介】病院の子どもたち(たくさんのふしぎ2019年2月号)




 病気で入院生活を余儀なくされている子どもたちがいます。そんな子どもたちの生活ができるだけ楽しくなるように応援する人がチャイルド・ライフ・スペシャリストです。今から60年ほど前にアメリカで始まった専門職です。日本にはまだ40人くらい、世界中でも4000人くらいしかいないそうです。
 この絵本の文章を書いた藤井あけみさんは、数少ない日本のチャイルド・ライフ・スペシャリストの一人です。藤井さんは自ら病院で出会った子どもたちを紹介しながら、チャイルド・ライフ・スペシャリストとして子どもたちとどう関わってきたか描いています。病院で入院生活を送る子どもたちの状況は多様であり、深い洞察力と一人ひとりに寄り添う愛情が必要になることが分かります。小平彩見さんによる絵は版画のようです。暖かみを感じさせる仕上がりになりました。
 チャイルド・ライフ・スペシャリストの仕事は最近、病気ではない子どもたちへの応援も始まっているそうです。例えば、病気を持った子どもたちの兄弟姉妹がその対象になります。親が病気の子どもを心配する一方で、寂しい思いをしている子どもたちが少なからずいます。そんな子どもたちもチャイルド・ライフ・スペシャリストの応援を必要としています。
 病気の子どもたちがつらい思いをしていることは間違いありませんが、藤井さんはその貴重な経験について話を聞くことで、私たちはもっと多くのことを学べるはずだといっています。病気の子どもたちが幸せに生きられる世界こそ、すべての子どもたちにとって居心地のよい世界になるからです。私も、病気の子どもたちの声に耳を傾ける人間の一人になりたいと思います。(店主)

病院の子どもたち(たくさんのふしぎ2019年2月号)
藤井あけみ 文
小平彩見 絵

福音館書店
2019年2月1日発行
本体667円+税

2019年1月6日日曜日

【本の紹介】せんのはっけん(かがくのとも2019年2月号)




 この絵本は問いかけます。「このせん なんだろう?」
 答えは、水鉄砲から出ている水であったり、コップの中のジュースであったり、切り分けられたケーキであったり、見れば「ああそうだったの」と思うものばかりです。この絵本はとてもシンプルな構成です。
 この絵本について、作者の鈴木康広さんは「身近なものを見つめ直す楽しさを子どもたちに体験してもらえる絵本にしたい」と書いています。そのため「さまざまなものに潜む線」を探し出し、「普段は目に見えていないところへ目を向ける体験」ができるように工夫しました。
 ただ、もともと線には幅もなく、目で見ることはできないはず。でも現実の世界では、この絵本が描いたように、いたるところに線を見出すことができます。作者の鈴木さんは「目に見えない理想の世界と現実の物理の世界の間をつなぐヒントが『線』にあるような気がしています」と述べています。私たちは今、目に見えないものと関わっていかなければならない時代に生きています。そんな私たちに、線は何らかのヒントを与えているのかもしれません。(店主)

せんのはっけん(かがくのとも2019年2月号)
鈴木康広

福音館書店
2019年2月1日発行
本体389円+税

2019年1月4日金曜日

【本の紹介】ウーペンせんと ろうがんきょう(こどものとも2019年2月号)




 この絵本の作者の朱彦潼さんは中国で生まれ育ち、日本への留学経験もあるそうです。朱さんが母の思い出をもとに、中国が舞台の絵本をつくりました。
 主人公のランランはたくさんのお店が並ぶ大きな町に住んでいます。ランランはおばあさんの住む小さな村に、遊びに行くことになりました。迎えに来てくれたおばあさんと一緒に、このごろ目が悪くなったおじいさんのために町で老眼鏡を買いました。
 おばあさんの家は川が網の目状に流れる水郷地方の村にあり、「ウーペン船」と呼ばれる小さな船が手軽な交通手段となっています。ウーペン船は屋根が付いた黒い小さな船です。ランランたちは大きなフェリーからウーペン船に乗り換えて家を目指します。ランランはおばあちゃんからもらったかぼちゃのたねを食べました。川の魚たちにもあげました。
 家まで帰り着く前に雨と風が激しくなりました。船が大き揺れてランランはおじいさんの老眼鏡を川に落としてしまいます。老眼鏡をなくして泣くランラン。周りの大人たちはランランを優しく気遣いますが、それは人間だけではなかったようです。(店主)

ウーペンせんと ろうがんきょう(こどものとも2019年2月号)
朱彦 さく

福音館書店
2019年2月1日発行
本体389円+税

2019年1月3日木曜日

「母の友」2019年2月号をお届けします!




 寒い季節はお風呂が明日への活力を生み出します。「母の友」2019年2月号の特集テーマは「おふろ大好き!」。お風呂の魅力をさまざまな角度から伝えます。
 東京都市大学教授の早坂信哉さんは生活習慣としてのお風呂を医学的に研究しています。地域医療の現場で、内科医の仕事を通じてお風呂の研究の必要性を感じ取り、その道に進みました。早坂さんがお風呂の効能や、お風呂の事故を防ぐために気をつけることなどを解説します。お風呂をおすすめする理由についても熱く語ります。
 お風呂の絵本といえば「もりのおふろ」(福音館書店)が思い浮かびます。作者の西村敏雄さんに、この絵本が生まれた経緯などをうかがいました。西村さんもお風呂が大好きだそうです。
 連載では母の友エッセイが傑作です。3カ月ごとに著者が変わり、今月号は小説家の小谷田奈月さんが執筆しています。タイトルは「手回し式洗濯機」。爆笑のエッセイでした。ぜひお読みください。(店主)

「母の友」2019年2月号

福音館書店
本体505円
2019年2月1日発行

2019年1月2日水曜日

明けましておめでとうございます!



 明けましておめでとうございます。穏やかなお正月を迎えました。この一年、みなさまが実り豊かに過ごされますようお祈り申し上げます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。(店主)

【本の紹介】忍者からみた世界(たくさんのふしぎ2025年9月号)

 かつて子ども向けのテレビ番組や漫画で人気を博した忍者は、今では多くのファンが世界中にいるようです。その忍者の実像に、リアルに迫る絵本です。  文章を書いた三橋源一さんは、忍者が生まれた地域の一つである三重県の伊賀地方に移住し、古文書を読み解いて忍者の研究をしています。農業や狩猟...