かつて子ども向けのテレビ番組や漫画で人気を博した忍者は、今では多くのファンが世界中にいるようです。その忍者の実像に、リアルに迫る絵本です。
文章を書いた三橋源一さんは、忍者が生まれた地域の一つである三重県の伊賀地方に移住し、古文書を読み解いて忍者の研究をしています。農業や狩猟で生活の糧を得ながら、忍術の修行も行う強者です。
山に囲まれた地域に暮らす忍者は、自分たちの暮らしを守るため、何よりも「情報」を大事にしていました。敵の情報を持ち帰るため、戦って討ち死にするのではなく、生き延びて帰ることが強く求められたのです。そんな独特な価値観が、忍者の人気を高めている要因の一つかもしれません。
飯野和好さんの描く絵は迫力満点で、この絵本のイメージにぴったりです。テレビ番組でお馴染みだった十字手裏剣が実際に使われることはなかったと分かっても、忍者の魅力が損なわれることはありません。(店主)
忍者からみた世界(たくさんのふしぎ2025年9月号)
三橋源一 文
飯野和好 絵
福音館書店
2025年9月1日発行
定価810円(本体736円+税10%)
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