ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年11月18日土曜日

【本の紹介】ずんずんばたばたおるすばん(こどものとも年少版2017年12月号)



 子どもが初めてお留守番をするとき、ちょっと怖いと思うかもしれません。でも、何回かやっているうちに、実はとても楽しいことだと分かります。大人がいる間は姿を見せない仲間たちが登場し、一緒に遊んでくれるからです。
 この絵本に出てくる仲間はたくさんの動物たちです。おかあさんが買い物に出かけたとたん、天井から小ザルたちが降りて靴磨きを始めました。押入れにはナマケモノ、冷蔵庫にはペンギン、そしてお風呂にはクジラまでいて、思い思いに過ごしています。
 リズミカルな文章が一気に流れていき、立ち止まることはありません。明るい色使いの絵は、縦の見開きを使い、それほど広いはずもない家の中をダイナミックに描いています。
 描かれた洗濯物を注意してみると、片方足りない靴下があります。絵本の中のどこかにあるはずです。じっくり読んで、探してみましょう。

ずんずんばたばたおるすばん(こどものとも年少版2017年12月号)
ねじめ正一 文
降谷なな 絵 

福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税

2017年11月17日金曜日

【本の紹介】うしさんぎゅうにゅうくださいな(ちいさなかがくのとも2017年12月号)



 表紙に牛の顔が大きく描かれています。つぶらな瞳がなんともかわいい。息づかいまで感じられそうで、迫力満点です。
 子どもがおとうさんと一緒に牧場を訪れるところからお話が始まります。牛の乳搾りを体験して楽しむようです。牧場のおじさんが「この うしの おっぱいを しぼってごらん」と言って牛を連れて来ました。「もおお」と鳴く牛の大きな声に子どもはびっくりしました。
 牛のおっぱいに初めて触る子どものわくわくした気持ちが伝わります。乳を搾っても最初はお乳が出てきません。おじさんに教わってうまく搾れたときのうれしさは格別でしょう。
 紙パックで売られている牛乳も、牛からお乳をもらってつくられています。私たちは食べ物を、命ある生き物から得ているのです。それを知ることで、私たちの生活をより豊かなものにすることができると思います。同時に、多くの生き物への感謝の気持ちを忘れたくありません。

うしさんぎゅうにゅうくださいな(ちいさなかがくのとも2017年12月号)
おおきあさみ さく 

福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税

2017年11月16日木曜日

【本の紹介】あ あ(こどものとも年中向き2017年12月号)



 針金でつくられた人が二人登場し、出会いを繰り返します。ほとんど何も語られることはありません。無機的な二人であっても、出会いを喜んでいるようにも見えます。
 出会いは思わぬところに潜んでいます。意外なところで出会う二人の物語を楽しみましょう。出会いから新しい物語が始まります。
 縦長の判型で、見開きを縦に取っています。視線の流れが縦になり、高さを強調したデザイン構成が面白い効果を発揮しています。
 この絵本は、こどものとも絵本として発刊されている「あ」の姉妹編です。前作で登場した針金の人は一人だけでした。針金の人は何かに出会ったとき、一言「あ」と言います。二人が出会うから、この絵本のタイトルは「あ あ」となります。

あ あ(こどものとも年中向き2017年12月号)
大槻あかね 

福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税

2017年11月15日水曜日

【本の紹介】うさおとかめきちのマラソンたいかい(こどものとも2017年12月号)



 マラソン大会がにぎやかに始まります。主人公の「うさお」と「かめきち」がどこにいるのかわからないくらい大勢の参加者が描かれています。その中から二人を探すことは、この絵本の大きな楽しみの一つです。
 イソップ寓話にも入っている昔話の「うさぎとかめ」を下地にしたお話です。マラソン大会では、うさおは悪どいことをして何とか優勝しようとしますが、最後は他の人もにやさしいかめきちが勝利を収めました。めでたしめでたし。
 マラソンコースが奇想天外です。街中からスタートして、里山に入ると富士山らしき山も見えてきます。熱い砂漠から大きな川を渡り、そして森を抜けると火の国があり、次の雪の坂道を過ぎてゴールとなりました。
 大勢の人が登場する場面は、一人ひとりがきちんと描き分けられていて圧巻です。そのページには、たくさんの物語が詰まっていそうです。きっとこの絵本を読むたびに、違った物語が飛び出してくるでしょう。

うさおとかめきちのマラソンたいかい(こどものとも2017年12月号)
中垣ゆたか 作

福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税

2017年11月12日日曜日

アドベントカレンダーを販売しています!



 アドベントカレンダーは、12月1日から24日まで日付の数字が書いてある小窓を毎日1つずつ開けていくカレンダーです。小窓の中には絵が描かれています。どんな絵が出てくるか、毎日ドキドキしながら楽しむことができます。すべての小窓を開け終わると、次の日は待ちに待ったクリスマスです。
 今年もアドベントカレンダーを多数取り揃えました。子どもたちと一緒にクリスマスまで楽しくお過ごしください。(店主)

2017年11月11日土曜日

【本の紹介】シロナガスクジラ(かがくのとも2017年12月号)




 シロナガスクジラの生態を詳しく解説しています。そのダイナミックな生き方はとても面白く、遠い海の世界の冒険物語を読んでいるようでした。
 シロナガスクジラといえば、地球上でもっとも大きな哺乳類動物です。そのほか、歯は髭のような形をしていること、オキアミを食べることくらいしか知りまでした。
 一番驚いたのは、子どもを産み、育てるため、あたたかい南の海に行くことです。食べることも、寝ることも、休むこともなく泳ぎ続ける長い旅です。南の海で子育てをする半年の間、母クジラは何も食べず、体の重さは半分くらいに減ってしまうといいます。
 あたたかい海は、子育てにはよいのですが、餌になるオキアミはいません。子どもが冷たい海にも耐えられるようになると、シロナガスクジラの親子は再び北に向かいます。シャチに出会ったり、危険なことも多い旅です。北の海に近づくと、母クジラと子クジラは別々の方向に進みます。旅の間、子クジラは母クジラから多くのことを学びました。自立した子クジラが、これからたくましく生きていくことを願わずにいられません。(店主)

シロナガスクジラ(かがくのとも2017年12月号)
加藤秀弘 ぶん
大片忠明 え

福音館書店
2017年12月1日発行
本体389円+税

2017年11月10日金曜日

今月のYAの会は「紙の動物園」



 千葉市の児童書専門店の会留府で毎月開かれている「YA(ヤングアダルト)の本を読む会」で11月9日、「紙の動物園」(ケン・リュウ、吉沢嘉通編・訳、早川書房、ハヤカワ文庫SF)を読みました。作者であるケン・リュウの作品を読むのは今回が初めてです。鋭利な文章が心地よく胸に刺さります。この作家にはこれからも注目していきたいと思いました。
 7つの短編作品を集めた短篇集です。強く印象に残った作品は表題にもなった「紙の動物園」でした。主人公の「ぼく」はアメリカの少年です。母親は中国人です。父親はカタログをみて母親を選びました。二人は香港で会い、父親が母親をアメリカに呼び寄せ、1年後にぼくが生まれました。ぼくが泣くと母親は包装紙で折り紙の虎をつくってくれました。風船のように息を吹き込むと、虎は動くようになります。ぼくの願いに応じて母親は山羊と鹿と水牛もつくってくれました。ぼくは成長し、アメリカの生活に馴染めないまま母親は亡くなります。でも、紙でつくられた虎を通じて、二人は強く結ばれていたことが分かります。
 ケン・リュウは世界的に注目を集める新鋭のSF作家の一人、とのことです。1976年に中華人民共和国で生まれ、11歳のときに家族とアメリカ合衆国に移住。ハーヴァード大学で英文学を専攻しながらコンピュータ・サイエンスの授業も取り、卒業後はマイクロソフト社に入社しています。ただ、すぐに独立してソフト・ウェアの開発を手がけ、さらにハーヴァード・ロースクールで学び、弁護士や特許訴訟関係のコンサルタントとしてのキャリアを重ねました。その一方で作家活動も始めたということで、かなり多才な人です。ケン・リュウの作品の背景には中国や日本を含めた東アジアの歴史が反映されていることも興味深く思いました。
 この文庫本には「ケン・リュウ短篇傑作集1」というサブタイトルが付いています。続編の「ケン・リュウ短篇傑作集2」も、「もののあはれ」というタイトルで発刊されています。この2冊の文庫本の親本は「紙の動物園」というタイトルの単行本であり、15編の短編作品を集めた短編集です。編・訳者によると、文庫化に際して収録順を多少入れ替え、1巻目はファンタジィ篇、2巻目はSF篇といえるような構成にしたということです。(店主)

【本の紹介】僕への小さな旅

 小さな旅の絵本です。子どものころに暮らした海辺の町に帰る旅です。青い空と海の水平線が鮮やかに描かれています。  夏休みを過ごした古い洋館は、おばあさんの家でした。屋根裏の部屋に残されたおもちゃ箱の中に見つけた赤いボタンは、くまのぬいぐるみのチョッキについていたもの。くまの「モル...