ヤママユは蛾の一種です。カイコのように繭を作り、その中で蛹になります。この絵本は、ヤママユが卵から成虫になるまでのようすを丁寧に描きます。
卵から生まれた幼虫は脱皮を繰り返して大きく成長します。脱皮ごとに少しずつ模様や色が変わるそうです。3回目の脱皮を済ませた幼虫は透き通るような緑色になるそうです。
緑色の幼虫の姿は、餌になるコナラの葉っぱにそっくりです。天敵のアシナガバチに見つからないように身を守っているのです。やがて幼虫が作る繭も緑色。でも繭から出た成虫は黄茶色で、目玉のような模様が付いています。
この絵本の付録の「作者のことば」から、ヤママユへの溢れる思いが伝わります。作者の岩淵真理さんは毎年初夏になると、コナラの枝をたくさんの瓶に入れ、ヤママユの幼虫の飼育を始めます。ときには根気も必要になりますが、自然が与えてくれる楽しみに興味は尽きないようです。(店主)
ヤママユ(かがくのとも2020年9月号)
岩淵真理 さく
福音館書店
2020年9月1日発行
本体400円+税
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