民主主義とは何か、簡潔な文章でわかりやすく解説する絵本です。コラージュによる絵がダイナミックに人間社会を描き、文章に広がりと深みを与えています。
民主主義について、何をして遊んでもいい自由時間のようなものと定義したあと、遊びには決まりがつきもので民主主義にもルールがあると説明します。そのルールが法律です。民主主義は誰もが納得できるように、法律に基づいて、みんなで作り上げていくものです。
みんなで作り上げるための手段として選挙が行われ、同じ考え方の人が集まって政党ができます。選挙で選ばれた人が政府をつくりますが、人々は政府のすることが良いことか間違いか、常にチェックしています。そして、選挙で一番いいと思う人を選ぶには情報が大切なことも語られます。
この本の原作は40年前にスペインで出版されました。私たちの社会の課題になっている4つのテーマを取り上げた「あしたのための本」シリーズの1冊です。訳者の宇野和美さんはこの本の「はじめに」で、ここに書かれていることは「いま、日本のわたしたちが考えたいことと、おどろくほどよくにている。つまり、ここには、時や時代がちがっても変わらない、社会についての大切なことが書かれているといえるだろう」といっています。私もそう思い、多くの人に読んでもらいたいと願っています。(店主)
民主主義は誰のもの?
文 プランテルグループ
絵 マルタ・ビナ
訳 宇野和美
あかね書房
2019年7月20日発行
本体1800円+税
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