夏休みの何気ない一日を描いた絵本です。子どものころの夏休みの思い出はいつまでも色あせることはありません。
表紙の絵に惹かれます。虫を捕まえようと身構える兄。不安そうに見守る弟の表情から、兄に対する期待と信頼を感じます。二人の緊張感がひしひしと伝わり、これから始まるお話への興味をかきたけられます。
一人で虫取りに出かけたいのに、母親から弟を連れて行けといわれた兄。足手まといの弟にいらつきを抑えられず、置き去りにして森の奥へと進みます。ふと気づくと弟の姿が見えません。あわてて来た道を駆け戻ります。
些細なことで起こった胸のざわつきは、なぜか心に残り続けます。胸のざわつきがいくつも重なることで、子どもは大人へと成長していきます。子どもも大人も共感できる絵本です。(店主)
夏とおとうとと
ふくだいわお
光村教育図書
2019年6月10日発行
本体1300円+税
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