変身する家具とは、用途や目的に応じて形を変えられる家具のことです。スウェーデンではいろいろな変身する家具が作られていました。この絵本の作者は、変身する家具を通してスウェーデンの人々の森を愛する姿が見えてきたといいます。
スウェーデンはとても寒い国です。スウェーデンの昔の人は、あたたかく過ごせるように家を小さく作りました。その方が暖炉やかまどの熱が部屋全体にすぐ回って快適に過ごせるからです。そして、小さい家の狭い部屋を広々と使えるように工夫して作った家具が、変身する家具だったのです
変身する家具は日本でもよく見かけます。ソファがベッドになるソファベッドや天板が折り畳めるバタフライテーブルなどです。スウェーデンにも同じような家具があります。そのほか、箱形のベッドがあるそうです。箱の中にベッドをしつらえた家具です。家の中にもう一つ家があるようなもので、とてもあたたかく過ごせそうです。
スウェーデンの人々は森の木を切って家具を作りました。スウェーデンには松や白樺の広い森があります。家具や家を作る上で、森の木は身近で加工しやすい素材でした。また森は、木の実やきのこを取ったり、熊や鹿をしとめて食料を得る場所でもありました。農作物が育ちにくいスウェーデンでは、森は人々が生きるためのよりどころでした。すべの人々が森の自然を楽しめる「自然享受権」という権利まで法律で認められているそうです。スウェーデンの人々は、森はみんなのものと考え、とても大切にしているのです。(店主)
スウェーデンの変身する家具(たくさんのふしぎ2018年12月号)
深井せつ子 文・絵
福音館書店
2018年12月1日発行
本体667円+税
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