8月6日は広島、そして8月9日は長崎の「原爆の日」です。1945年のこれらの日、日本に原子爆弾が落とされ、多くの人々がその犠牲となりました。
原子爆弾などの核兵器は桁外れの死者を出すだけでなく、残った被爆者を長い間、苦しめることになります。私たちは核兵器による悲劇を二度と繰り返すことのないように誓いました。一方で、核兵器への恐怖に基づく核抑止論は完全に否定されることなく継続し、核廃絶はまだ実現することができません。
それでも希望はあります。国際条約の核兵器禁止条約が2017年7月、国連で採択され、批准国が50カ国に達してから90日後に発効することになっています。この条約の成立に貢献したことで国際NGOの「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が2017年のノーベル平和賞を受賞したことも記憶に新しいところです。ただ、残念なことに核保有国やその同盟国はこの条約への参加を表明していません。日本も、唯一の被爆国でありながら、同様な姿勢です。
「風が吹くとき」のオリジナルは1982年にイギリスで出版されました。35年以上も前のことです。世界的なベストセラーになったこの絵本が描いた状況は、悲しいことに今も続いているといってよいかもしれません。核兵器や戦争のこと、そして平和について考えるきっかけになればとも思い、今日はこの絵本を紹介せさていただきます。(店主)
風が吹くとき
レイモンド・ブリグズ さく
さくまゆみこ やく
あすなろ書房
本体1600円+税
1998年9月30日発行
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