イランの昔話の絵本です。何とも痛快なお話です。絵も秀逸です。素朴でありながら、ぬくもりを感じさせます。
ノホドまめから生まれた小さな女の子が主人公です。ノホドまめは、ひよこまめのことです。女の子はノホドまめのように小さいことからノホディと名付けられました。ノホディは近所の娘たちと落ち穂拾いに出かけ、帰り道の森で怪物と出会います。怪物はノホディたちを食べてしまうつもりで自分の家に連れて帰りました。ノホディが怪物に立ち向かいます。
はるかイランのお話でありながら、どこか親しみを感じるのは何故でしょう。昔話には世界の人々の心に共通して訴える知恵と感情が込められています。世界の人々は昔話を通じて、お互いに理解し合えるのではないかと思います。
イランは、ニュースで取り上げられることは多くあっても、私たちにとって馴染みのある国とはいえないかもしれません。そうした中で、イランの昔話に接する機会が得られたことをうれしく思います。絵を描いたのはイランで注目のイラストレーターで、昨年のブラスティラヴァ世界絵本原画展コンクールで「金のりんご賞」を受賞しています。(店主)
ノホディとかいぶつ(こどものとも2018年9月号)
愛甲恵子 再話
ナルゲス・モハンマディ 絵
福音館書店
2018年9月1日発行
本体389円+税
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