アニータはトマトが嫌いです。食べたくないと駄々をこねています。「トマトをもって あっちに いってなさい」といったのは、たぶんママ。「ぜんぶ たべおわるまで でもどってきちゃ だめよ!」だなんて、さあたいへんなことになりました。
アニータはトマトと一緒に、自分の部屋に行ったようです。トマトとおかあさんごっこを始めます。トマトちゃんと呼んでかわいがるアニータに、少しずつ変化が訪れます。
食べ物は自分の身体の一部になるものです。美味しく食べられる物には愛情も湧いてきます。アニータもトマトに対し、ひとまわり大きな愛情を感じられるようになったのかもしれません。アニータの成長を感じます。
この絵本は線画と写真のコラージュで描かれています。線画のアニータと、真っ赤に熟れた写真のトマトの対比が鮮やかです。無駄のないシンプルな構成ですが、広がりを感じさせる絵です。とてもお洒落な絵本に仕上がりました。(店主)
おやすみなさい トマトちゃん
エリーザ・マッツォーリ 文
クリスティーナ・ペティ 絵
ほしあや 訳
きじとら出版
本体1400円+税
2018年7月31日発行
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