こやぎのチキと不思議なおじいさんのやぎの物語です。おじいさんやぎは、いつも群れから離れて過ごしています。ほかのやぎからは魔術を使うと恐れられていますが、チキはおじいさんやぎがとても気になります。
おじいさんやぎはときどきふっといなくなり、何日か過ぎると毛もつやつやして若返ったように帰ってきます。チキは「ほんとうだ。あのじいさんは まじゅつを つかったんだ」と思います。
ある日、チキは草の上に倒れているおじいさんやぎを見つけます。チキが心配して近づくと、おじいさんやぎは何もいわずに立ち上がり、よろよろと歩き出しました。チキはあとを追いかけます。おじいさんやぎの魔術の秘密を解き明かす旅が始まります。
メキシコの昔話に着想を得て書かれたお話です。昔話のほとんどが現実にはありえない物語であっても、どこか共感するところがあります。何故でしょう。作者は、昔話には人間が野生の動物や植物と境界線を持たずに生きていたころの記憶が隠されているからと語ります。(店主)
こやぎのチキとじいさんやぎのひみつ(こどものとも2018年2月号)
清水たま子 文
竹田鎭三郎 絵
福音館書店
2018年2月1日発行
本体389円+税
本体389円+税
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