こぐまのブラウンの成長の物語です。才能にあふれたブラウンは森を離れ、街に出て大成功を収めます。でも心のどこかにぽっかりと穴が空いていると感じたブラウン。穴を埋めてくれたのは、森で待っていてくれた大切な人たちでした。
森で暮らすブラウンは、まだこぐまです。ある日、へんてこなものを見つけます。さわってみると「タン!」。これまで聞いたことのない音がします。「ヘンなの。なよなら…」といってその場を去ります。でもブラウンは「また来ちゃった」と毎日さわりに来るようになって、へんてこなものと仲良くなりました。
へんてこなものを演奏するブラウンはすっかり大きくなりました。一人の女の子とおとうさんがやってきて、へんてこなものはピアノだと教えてくれました。女の子はブラウンに街へ行こうと誘います。いろいろな音楽を聴いてみたい、大勢の人たちの前でピアノを演奏したいと思ったブラウンは街へ向かいます。
「ぼく、大スターになっちゃった」と話すブラウン。夢はぜんぶかなえられたと思いました。でも「何かが足りない」と気づきます。思い出すのは森の友だち、そして森のピアノのことでした。ブラウンは急いで森に帰ります。そこでブラウンを待ち受けていたのは何だったのでしょうか。森の中で木漏れ日が美しく輝きます。(店主)
クマと森のピアノ
作 デイビット・リッチフィールド
訳 俵万智
ポプラ社
本体1400円+税
2017年10月発行
2017年10月発行
0 件のコメント:
コメントを投稿