長崎には龍の模型が踊るお祭りがあり、ニュースなどでよく紹介されています。「くんち」と呼ばれるお祭りで、龍の踊りはその演し物です。「龍踊り」と書いて「じゃおどり」と読みます。
この絵本は、修学旅行で長崎を訪れた小学生が龍踊りを体験するようすが描かれています。たった半日の短い時間ですが、龍踊りを教わり、その日のうちに長崎の町の人や観光客に観てもらいます。
龍踊りは、玉を扱う「玉使い」が1人、龍を操る役割の人が10人、合計11人で行います。そのほか、音楽を奏でる楽隊が10数人います。龍踊りはチームワークが重要です。短い時間でできるようにするため、練習方法もよく工夫されているようです。
龍踊りはもともと、中国で古代から伝わる雨乞いの儀式です。日照りに苦しむ農民の祈りから始まり、その後、祭りなどで行われるようになりました。長崎は江戸時代に中国など外国と交流があった町で、300年ほど前から龍踊りが演じられるようになったそうです。小学生たちは見物するだけでなく、実際に演じてみることで、その独特の文化を深く感じ、理解することができるようになります。練習方法を詳しく解説したこの絵本を読めば、きっと本物の龍踊りも見たくなるでしょう。(店主)
みんなで龍になる(たくさんのふしぎ2018年2月号)
河野謙 監修
太田大輔 文・絵
福音館書店
2018年2月1日発行
本体667円+税
本体667円+税
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