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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年5月11日木曜日

【本の紹介】パパとドライブ



パパとドライブ(こどものとも2017年6月号)
福音館書店
2017年6月1日発行

山口稔子 文
まるやまあやこ 絵
本体389円+税

 父親と娘のあたたかな交流を描いた絵本です。特別なことをしている訳ではありません。ごく普通の生活の中に交流の場があります。
 みかちゃんのお家は酒屋さんです。お店の配達がパパとのドライブです。みかちゃんは、最初に行く「すずきさん」の家は幼稚園より大きいと聞いてびっくりしています。次に行く「たなかさん」のお家には、みかちゃんがちょっと苦手にしている犬がいます。
 お蕎麦屋さんにも行きます。そこはみかちゃんの友達のあやちゃんのお家です。あやちゃんのおばあちゃんから「あとで おくってあげるから あやと あそんでいきな」と言われて、みかちゃんは慌てて「ダメなの」と断ります。実はこの後、大きなお楽しみがあるからです。
 柔らかいタッチの絵がお話の内容にぴったりあっています。みかちゃんがパパそっくりに描かれていて微笑ましい。そういえば、6月には父の日も待っています。

2017年5月10日水曜日

福音館書店の絵本の月刊誌6月号が入荷しました!



 福音館書店の絵本の月刊誌2017年6月号が入荷しました。どうぞ手に取ってご覧ください。
 「こどものとも0.1.2」のタイトルは「ブップブープー」。真っ赤な小さなバスが活躍するお話です。「こどものとも年少版」の「ギーコギーコ」では自転車に乗った男の子が登場。ねこさんやいぬさん、ねずみさんとぞうさんのいる湖を目指します。「こどものとも年中向き」の「おいしいおやつをくださいな」では、最後にみんなで美味しいホットケーキをつくります。「こどものとも」は、酒屋さんをしているみかちゃんのパパがお店の配達でみかちゃんをドライブに誘うお話の「パパとドライブ」です。
 「ちいさなかがくのとも」の「しずく」には、しずくのかんむりが出てきます。どんなかんむりでしょう。「かがくのとも」は虫の一生を描きます。タイトルの「はなむぐり」がその虫の名前です。「たくさんのふしぎ」の「石油のものがたり」では石油がどうやってできたかなど、石油についてたくさんのことを知ることができます。

2017年5月7日日曜日

むしの絵本をテーマコーナーに並べました!



 むしたちが活発に動き始める季節になりました。野原や里山に行けば、いろいろなむしたちに出会えます。家の周りでも、探せばすぐに見つけることができるでしょう。むしは身近な生き物です。
 子どもがむしたちに夢中になるのはなぜでしょう。絵本作家で「こんちゅうの一生」シリーズ(福音館書店)などを手がけた得田之久さんが書いています。「まだ野生をたっぷり残した小さな子どもたちが昆虫を大好きなのは、野生の血が引きあうからだ」。
 むしの絵本を読んでみてください。むしたちの世界は不思議なことばかり。最近、ちょっと嫌われ者といわれているむしたちですが、知れば知るほど愛おしくなります。
 本棚からむしの絵本をピックアップして並べました。むしとの出会いを求めて外に飛び出る前に、どうぞお手に取ってご覧ください。

2017年5月6日土曜日

【本の紹介】アームストロング



アームストロング

ブロンズ新社
本体2500円+税
2017年4月25日発行

作 トーベン・クールマン
訳 金原瑞人 

 宇宙への憧れを鮮烈に描きます。絵本デビュー作の「リンドバーグ」で空飛ぶネズミをダイナミックに描いた作者が、再びスケールの大きい作品を仕上げました。
 「リンドバーグ」で主人公の小ネズミは飛行機を作り、人間よりも早く大西洋横断飛行を果たしました。「アームストロング」の主人公の小ネズミはロケットを作り上げ、人間に先んじて月旅行を成功させます。
 小ネズミは目標に向かって知識を学びます。問題は山積しています。幾度も困難に直面することになりますが、決して諦めることはありません。その姿は感動的です。
 大型絵本です。ページをめくるたび、大胆な構図で描かれた絵にわくわくします。小ネズミの愛らしさも、この絵本の大きな魅力になっています。

2017年5月5日金曜日

【本の紹介】いっさいはん



いっさいはん

岩崎書店
本体1200円+税
2016年11月30日発行

minchi さく・え

 一歳半のころの子どものようすを描きます。大人は子どもの行動に振り回されながら、日々成長していることを実感する楽しい時期です。子育てに疲れた大人は、この絵本を読んでまた元気を取り戻しましょう。
 子どもはこの時期、歩き始めて行動範囲が広がり、興味対象も格段に増えて活発に行動するようになります。世話をする大人たちは目が離せなくなり、結果的に子どものことをよく観察するようになります。子育ての中で、特に強いインパクトを受ける時期かもしれません。
 作者の実体験に基づく絵本です。でも同じような経験を、子育てをする多くの人がきっと持っていることでしょう。作者への共感が、まだまだ続く子育てをしっかり後押ししてくれると思います。
 少し大きくなった子どもと一緒に読んでみるのも楽しそうです。自分がどんなふうに成長してきたのか知ることは、子どもにとって大人から受ける愛情を再確認することにつながります。

2017年5月4日木曜日

【おすすめの1冊】ざっそうの名前



ざっそうの名前

福音館書店
本体1100円+税
2013年4月15日発行

長尾玲子 作

 驚いたことに、絵はすべて刺繍で描かれています。タイトル通り、雑草の形状と名前を教えてくれる絵本です。刺繍の絵は雑草の特徴を見事に捉えています。
 絵本は、太郎くんがおじいちゃんのうちへ遊びに行ったところから始まります。お土産にもってきたスイカが冷えるまで、太郎くんはおじいちゃんに雑草の名前を教えてもらうことになりました。
 太郎くんは雑草にも一つひとつ名前があることを知らなかったようです。実は、雑草には面白い名前がたくさんあります。太郎くんと一緒に、雑草について楽しく学びましょう。
 知ることが好きになることの第一歩になります。春や秋、冬にも、夏とは違う雑草を見つけることができます。太郎くんはおじいちゃんから「またいっしょにみいこう」と言われ、「うん!」と元気よくこたえました。

2017年5月3日水曜日

【本の紹介】宮沢賢治の鳥



宮沢賢治の鳥

岩崎書店
本体1700円+税
2017年2月15日発行

国松俊英 文
舘野鴻 画

 この絵本は宮沢賢治の童話や詩に登場する鳥たちを通じて、賢治の作品の理解を深める筋道を示しています。内容は子ども向きとはいえないでしょう。でも、細密画の絵が素晴らしい。子どもや賢治の作品にあまり触れたことがない人でも、生き生きと描かれた鳥たちの姿に目を見張ることでしょう。
 宮沢賢治の作品に登場する鳥たちはほとんど日本の鳥たちですが、例外的に外国産のハチドリが登場します。どうしてハチドリが賢治の作品に出て出てくるのか、その考察が面白い。3つの仮説から、賢治の創作過程の真実に迫ります。
 宮沢賢治は野山を歩くことが好きで、野宿することも多かったようです。この絵本の作者は「たくさんの童話や詩は、そんな日々に、草原を吹く風や夜空にかがやく星の光からもらってきたものだ」と書いています。
 宮沢賢治の世界はあまりに広すぎて、その作品を捉えどころがないように感じることもあるかもしれません。一方で、いつかきちんとまとめて読んでおきたいという人も少なくないのではないでしょうか。この絵本がそのきっかけになりそうです。

【本の紹介】忍者からみた世界(たくさんのふしぎ2025年9月号)

 かつて子ども向けのテレビ番組や漫画で人気を博した忍者は、今では多くのファンが世界中にいるようです。その忍者の実像に、リアルに迫る絵本です。  文章を書いた三橋源一さんは、忍者が生まれた地域の一つである三重県の伊賀地方に移住し、古文書を読み解いて忍者の研究をしています。農業や狩猟...