大地の土の見えるところが「じべた」です。普通は「地面」というと思います。じべたというと、不思議に親しみが湧いてきます。
じべたはときどき「そら」がうらやましくなるようです。その気持ちは、なんとなく分かります。
でも、花が咲くと、そらへのうらやましい気持ちは忘れるようです。これも、なんとなく分かります。そらで花は咲きません。そらに花以外のいいものはたくさんありますが、花以上にいいものはなかなかないと思います。
いつのころからか、人間はじべたを隠すようになりました。でも、じべたはちゃんとそこにあるのです。大雨が降っても、川が氾濫しても、「じべたはいつまでもじべたです」。じべたに暮らす私たちを応援してくれる絵本です。(店主)
じべた
ぶん たにがわしゅんたろう
え くろだせいたろう
橙書店
2021年3月11日
定価1650円(本体1500円)
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