ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2022年1月11日火曜日

【本の紹介】ハクセキレイのよる(ちいさなかがくのとも2022年2月号)




 この絵本は作者のとうごうなりささんが、編集者から「街中の木に集まって寝る鳥」をテーマにしたお話を提案されて出来上がったそうです。そのテーマならムクドリを思い浮かべるところですが、この絵本に登場するのはハクセキレイです。

 ハクセキレイとよく似ているセグロセキレイという鳥もいて、両者を区別することはなかなか難しいように思います。水辺で見かける鳥という印象が強いセキレイですが、確かに街中でもよく見かけます。

 しかもハクセキレイはムクドリと同じように、夜は街中の木に集まって寝ているそうです。ハクセキレイも街中で「集団ねぐら」を作っていることにとても驚きました。集団ねぐらには、駅や交差点の電線、ビルの窓のひさし、ネオンサインの上、店の看板の上なども使われるそうです。

 このような場所の共通点は、夜でも照明で明るいこと、人や車が通り静かとは言えないことなどがあります。鳥がどうしてこのような騒がしいところに集団ねぐらを作るのか、さまざまな説が提示されていますが、まだはっきりわかっていないようです。その謎を解明するためには、まずしっかりと観察することが大切。この絵本も、ハクセキレイをしっかり観察して作られたことがよく分かります。版画をベースにした絵は、味わい深い仕上がりです。(店主)


ハクセキレイのよる

とうごうなりさ さく


福音館書店

2022年2月1日発行

定価440円(本体400円+税10%)


0 件のコメント:

【本の紹介】キャッチ!

 キャッチボールが始まります。ただのキャッチボールにはおさまらないようです。  子どもが投げたボールを、パパが「キャッチ!」。でも、パパが投げ返したボールは大暴投。キャッチしたのはお空を飛んでいたカラスでした。  その後、ボールはどうなるかって? ボールの行き先は誰にも分かりませ...