小さな蒸気機関車のお話です。名前はビーコロ。「ボクは ふつうのきかんしゃじゃない」といっています。さて、どんな機関車なのでしょう。
ビーコロは機関車工場の中で働いています。ほかの機関車や、工場内の荷物を押したり引いたりして動かすことが仕事です。点検や修理のため工場にやってきた機関車は、石炭を燃やす釜の火を消してしまうので、自分で動くことができません。そこでビーコロの出番。工場内で動くにはビーコロの手助けが必要になります。
働き者のビーコロは、みんなから頼りにされています。でも実は、工場の外は走れません。貨車をたくさん運んだり、客車を遠くまで引いていくだけの力はもっていないからです。ビーコロはいつも思っていました。「つよく なりたいな。はやく なりたいな。そうすれば ボクだって、こうじょうの そとに でて、はしれるのにな」
ビーコロの願いを叶えてあげようと、仲間の機関車たちが立ち上がります。ビーコロを含め4つの機関車が連なって、外に向かって出発進行! もちろん、先頭はビーコロです。ビーコロのお話は、実際にあった出来事をもとにつくられました。4重連の機関車は、さぞかし壮観だったでしょうね。(店主)
じょうききかんしゃビーコロ
作・絵 ミノオカ・リョウスケ
童心社
2019年8月26日発行
本体1400円+税
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