「どしゃぶり」という表現は、私たちの雨に対する親しみを感じさせます。ときに深刻な被害をもたらす大雨ですが、夏の暑い日のどしゃぶりは、そのあとの爽快感への期待もあり、誰もがワクワクしてしまうのかもしれません。
白い雲の背後に姿を見せ始めた黒い雲。たちまち近くに寄ってきて「ぼつっ! ぼつっ! ぼつっ!」と雨を降らせます。大きい雨です。だから、「ぽつっ」ではなく「ぼつっ」と降ります。
どしゃぶりの魅力を存分に描き切った絵本です。雨が降るようすを力強く、そして美しく描きます。子どもには「あそぼう! あそぼう!」と呼びかける声が聞こえます。声に応え、子どもは思いっきり遊びます。
昔観た「雨に唄えば」というミュージカル映画を思い出しました。主人公がどしゃぶりの中で楽しそうに歌い踊っていました。絵本に戻ると、雨上がりの街は「びっちょびちょで いいきもち」。水玉がキラキラ輝いています。(店主)
どしゃぶり
おーなり由子 ぶん
はたこうしろう え
講談社
本体1400円+税
2018年6月12日発行
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