養豚場で生まれた子ブタたちのルポルタージュです。この養豚場の名前は「ぶぅふぅうぅ農園」。一般的な養豚場とはかなり様相が異なるようです。
ここでは子ブタや、その子ブタを産んだお母さんブタまで、鉄柵に囲まれた狭い空間に押し込まれることなく、とても伸び伸びと生活しています。動物本来の生態に十分配慮した飼育方法で、「完全放牧養豚」というそうです。これは一般的な飼育方法と比べ、手間も費用もかかります。
実は、子ブタたちは生後7カ月余りで、食肉として出荷されます。子ブタたちは私たち人間に食べられるために生まれ、育てられるのです。やがて殺され、食べられてしまう子ブタたちにどうしてそんなにコストをかけるのでしょう。その根底には、動物福祉(アニマルウェルフェア)を向上させるという考え方があります。
人であれ動物であれ、命あるものにとって大切なことは、どう生きたかということ。思う存分、楽しく幸せに生きた。誰もがそう願っているはずです。この本は、命について考えるきっかけを与えてくれます。子ブタたちがどう生きたかを知り、そして私たちがどう生きていくのか、考えてみたいと思います。(店主)
子ブタたちはどう生きたのか ぶぅふぅうぅ農園の7か月
太田匡彦:著
岩崎書店
2025年9月30日発行
定価(本体1500円+税)

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