多くの人に読んでいただきたい物語です。みんな一緒に、平和への願いを大切に持ち続けるために。
語り手は一本の柿の木です。港を取り囲むように広がる長崎の町。柿の木のてっぺんからは、町全体が見渡せます。柿の木は100年以上前に、若い夫婦が植えました。その夫婦の家族と一緒に、長崎の町で過ごしてきました。
戦争が2回あり、3回目の戦争は第2次世界大戦に拡大します。やがて1945年8月を迎えます。8月9日午前11時2分、原子爆弾が投下されました。原爆で丸焦げになった柿の木。でも、奇跡的に生き残り、再び柿の実をつけるようになりました。そして、今でも私たちの平和の祈りを支え続けているのです。
文章、挿絵ともに、イタリア人による作品です。翻訳はとても美しく、読みやすい文章です。優しいタッチの絵も作品によくマッチしています。(店主)
わたしの町ナガサキ 原爆を生きのびた柿の木と子どもたち
キアラ・バッゾーリ 作
アントン・ジョナータ・フェッラーリ 絵
森敦子 さとうのりか 訳
2025年8月9日発行
工学図書(山烋のえほん)
定価(本体1,800円+税)
