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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年9月26日金曜日

【お知らせ】今年も「おうえんカレンダー」を販売します!




 くわのみ書房は「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2026」を販売します。1部1100円(税込)です。

 このカレンダーは、2011年の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響から子どもたちを守ろうという趣旨で作られるようになりました。今回で10年目という節目を迎えます。

 カレンダーの絵は12人の絵本作家が提供しました。はたこうしろう、あおきひろえ、うさ、長谷川義史、村上康成、山福朱実、おーなり由子、どいかや、降矢なな、荒井良二、谷口智則、酒井駒子のみなさんです。全国7カ所で開催予定の原画展会場では、絵本作家を招くイベントも企画されています。

 カレンダーの販売収益は、被曝から子どもたちを守るための活動をしている団体に寄付されます。詳しい情報は一般社団法人応援カレンダープロジェクトのウェブサイト(http://12ehoncalendar.com)をご参照ください。(店主)


#くわのみ書房

【本の紹介】風車と水車(たくさんのふしぎ2025年10月号)




 私たちは昔から、風車や水車を生活に役立ててきました。その知恵は廃れることなく、今また新しい可能性を生み出そうとしています。

 かつて風車や水車は、小麦と密接に関わりながら発展してきました。小麦を粉にする作業は大変な労力を必要としますが、昔の人々は風車や水車の力を小麦の粉挽きに活用しようと考えたのです。

 やがて風車や水車は、粉挽き以外のさまざまな用途に使われるようになります。水汲みやワインづくり、石材加工、製糸、鉱山など、多岐に渡る力仕事をこなすようになります。風車や水車は、風や水の流れといった自然に備わるエネルギーで回ります。私たちは、風車や水車を使って自然のエネルギーを力仕事のエネルギーに変えてきたのです。

 この絵本で、風車と水車の歴史を興味深く学ぶことができます。今では電気を起こす力になると期待を集めている風車と水車。まだまだ役割を終えることはなさそうです。(店主)


風車と水車(たくさんのふしぎ2025年10月号)

深井聰男 文

深井せつ子 絵


福音館書店

2025年10月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月23日火曜日

【本の紹介】リレーするじどうしゃ(かがくのとも2025年10月号)




 働くじどうしゃを紹介する絵本です。とても大きくて、普段は見るのないじどうしゃも登場します。

 山のふもとで大きなじどうしゃが土を掘っています。別のじどうしゃが土を運び、さらに別のじどうしゃがその土を受け取って、一時的に置いておく場所まで運びます。これらのじどうしゃはとても大きくて、普通の公道を走ることが出来ません。だから、私たちが目にする機会はほとんどないのです。

 次にやってきたのは先ほどよりも小型のじどうしゃ。土をすくい上げると、また別のじどうしゃに積み上げました。受け取ったじどうしゃは街中の道路を走って土を運び、工事現場に着きました。さらにいろいろなじどうしゃがリレーをするように働き、平らで丈夫な地面を作ることが出来ました。ここは新しい公園になるのです。

 迫力ある絵は見応えがあります。じどうしゃのそばには働く大人の姿も描かれています。見比べて、それぞれのじどうしゃの大きさを想像してみてください。(店主)


リレーするじどうしゃ(かがくのとも2025年10月号)

平山暉彦 さく


福音館書店

2025年10月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月20日土曜日

【本の紹介】くまちゃんのでばんです(こどものとも2025年10月号)




 優しい気持ちが浮かんでくる絵本です。人のために力を尽くす姿を描き、多くの人の共感を集めます。柔らかいタッチの絵とお話のイメージが、とてもよくマッチしています。

 くまのぬいぐるみの「くまちゃん」は、「ときちゃん」が赤ちゃんの頃からずっと一緒に過ごしてきました。ときちゃんは自分で紙飛行機を作れるくらい大きくなりましたが、今でもくまちゃんが一番のお友だちです。

 ときちゃんは紙飛行機を飛ばそうと、公園の滑り台のてっぺんに上ります。ときちゃんがもっともっと遠くへ飛べと力を込めると、紙飛行機は「すいーっ すいーっ」と公園の林を抜けて、ホントに遠くまで飛んでいってしまいました。そんなに遠くまで探しに行けないと泣き出してしまうときちゃん。さあ、ここはくまちゃんの出番です。

 果たしてくまちゃんは紙飛行機を無事連れ戻すことができるのか、ハラハラドキドキのお話が続きます。みんなでくまちゃんを応援しよう!(店主)


くまちゃんのでばんです(こどものとも2025年10月号)

林原玉枝 文

あいざわふみ 絵


福音館書店

2025年10月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月19日金曜日

【本の紹介】おつきさまと さんぽ(ちいさなかがくのとも2025年10月号)




 幻想的な満月の夜を深い青色で表現しました。昼間とは異なる非日常感にワクワクしてしまう絵本です。

 子どもが夜のお散歩に出かけました。外は暗いけど、おとうさんと、飼い犬のバンも一緒だから安心です。

 子どもは土手を歩いているとき、遠くにいるお月さまが自分についてきていることに気づきます。うれしくなった子どもは、お月さまをいろいろなところに連れていってあげました。

 子どもはお月さまと友だちになったようです。夜のお散歩で、自分の世界がまた一つ広がりました。(店主)


おつきさまと さんぽ(ちいさなかがくのとも2025年10月号)

八百板洋子 ぶん

平岡瞳 え


福音館書店

2025年10月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月17日水曜日

【本の紹介】たねをたべた けもの(こどものとも年少版2025年10月号)




 とてもシュールな絵本です。動物や植物の生命力の力強さを色鮮やかに描きました。

 一匹の「けもの」が見つけたのは「もりのたね」。「ぱくり!」と食べると、けものの体から「にょき」と木の芽が生えてきました。

 尻尾からも「にょき にょき」、耳からも「にょき にょき」。もりのたねを食べたけものの体は、みるみる森になってしまいました。その森に新しい命が宿り、ざわざわ騒ぎ始めると…。

 森と一体になったけものの体には多くの命が描き込まれ、私たちを圧倒します。やがて、その命は次の世代に引き継がれ、生きる喜びが広がっていくのです。(店主)


たねをたべた けもの(こどものとも年少版2025年10月号)

淺井裕介 さく



福音館書店

2025年10月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月16日火曜日

【本の紹介】ぺんぺん ぽろろん(こどものとも0.1.2. 2025年10月号)




 リズミカルに音が連なる絵本です。音に合わせて、絵もリズミカルに躍動します。

 ぺんぺん草やちょうちょ、たんぽぽの綿毛など、身近な自然の中に音の存在を見出します。私たちの身の回りで、すぐに見つけ出すことができる音ばかりです。

 私たち人間は、まず最初に音を通じて世界を認識するのかもしれません。音により、私たちは生きる喜びを感じるようになるのです。

 小さなこどもがリズミカルな音をとても喜ぶのは、自分の命を感じるから。この絵本を声に出して読めば、その喜びを子どもと共有できるでしょう。


ぺんぺん ぽろろん(こどものとも0.1.2. 2025年10月号)

いしげまりこ ぶん

まつばやしまこと え


福音館書店

2025年10月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月6日土曜日

【本の紹介】忍者からみた世界(たくさんのふしぎ2025年9月号)




 かつて子ども向けのテレビ番組や漫画で人気を博した忍者は、今では多くのファンが世界中にいるようです。その忍者の実像に、リアルに迫る絵本です。

 文章を書いた三橋源一さんは、忍者が生まれた地域の一つである三重県の伊賀地方に移住し、古文書を読み解いて忍者の研究をしています。農業や狩猟で生活の糧を得ながら、忍術の修行も行う強者です。

 山に囲まれた地域に暮らす忍者は、自分たちの暮らしを守るため、何よりも「情報」を大事にしていました。敵の情報を持ち帰るため、戦って討ち死にするのではなく、生き延びて帰ることが強く求められたのです。そんな独特な価値観が、忍者の人気を高めている要因の一つかもしれません。

 飯野和好さんの描く絵は迫力満点で、この絵本のイメージにぴったりです。テレビ番組でお馴染みだった十字手裏剣が実際に使われることはなかったと分かっても、忍者の魅力が損なわれることはありません。(店主)


忍者からみた世界(たくさんのふしぎ2025年9月号)

三橋源一 文

飯野和好 絵


福音館書店

2025年9月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月4日木曜日

【本の紹介】すうじむらのおみせ(こどものとも2025年9月号)




 数字が可愛いキャラクターになって登場する絵本です。あらためて見ると、数字はとても面白い形をしています。

 私たちの身近な数字には、アラビア数字とローマ数字がありますが、一つひとつユニークな形をしているのは、やはりアラビア数字。この絵本のキャラクターはアラビア数字が元になっています。

 ある日、「すうじむら」に暮らす「すうじ」たちはお店を始めることになりました。みんな自分の形に似たものを売っています。ところが、4の「よんちゃん」のお店には何も並んでいません。よんちゃんは何を売ればよいのか、少しも思いつかないのです。

 私たちの身の回りで数字さがしをしてみましょう。この絵本に描かれたもの以外にもたくさんありそうですね。さて、よんちゃんは何を売ることにしたのかな。(店主)


すうじむらのおみせ(こどものとも2025年9月号)

みずはらゆうか ぶん

Fantom え


福音館書店

2025年9月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月3日水曜日

【本の紹介】さかなの おそうじやさん(かがくのとも2025年9月号)




 海の魚がお互いに助け合って生きるようすを描いた科学絵本です。珊瑚礁の海に暮らす魚たちを色鮮やかに描きます。

 最初の見開きページをみると、大きな赤い魚が口を広げて小さい魚を飲み込もうとしています。危機一髪、と思ったら、大きな魚はずっと口を開けたまま。小さい魚は口の中をつんつん、のんびりつついています。

 実は、小さな魚は大きな魚の体についた汚れや小さな生き物を食べて綺麗にしているのです。つまり、小さな魚は大きな魚にとって大切な「おそうじやさん」。さっぱりした大きな魚がその場を去ると、次は別の緑色の大きな魚がやって来て、おそうじをお願いしています。小さい魚は、こうしてお腹を満たすのです。

 作者の大村文乃さんは海洋生物の研究者でもあります。美しい珊瑚礁の海と、そこに暮らす生き物たちの豊かな世界を存分にお楽しみください。(店主)


さかなの おそうじやさん(かがくのとも2025年9月号)

大村文乃 ぶん・え


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年9月2日火曜日

【本の紹介】むしの へんしん(ちいさなかがくのとも2025年8月号)




 セミの羽化を描いた絵本です。それを観察する子どもも描きます。

 公園からの帰り道、何かの虫を見つけた子どもは、家に連れて帰ることにしました。おかあさんに言われた通りカーテンにとめておき、翌朝目覚めると、それはセミになっていました。セミの変身を見損ねた子どもは、とても残念そうです。

 私もセミの羽化を実際に観たことがあります。夏の日、暗くなってしばらくした後、木の幹にしがみ付くセミの幼虫を見つけると、やがて背中が割れて白く半透明のセミが現れました。それは、まさに神秘的なドラマです。その後、セミは一晩かけて、私たちが昼間目にする姿になるのです。

 翌日、絵本の子どもはセミの変身を無事見届けることが出来ました。子どもの感動は多くの人の共感を招きます。セミが変身する様をとても美しく表現した絵も見応えがあります。(店主)


むしの へんしん(ちいさなかがくのとも2025年8月号)

澤口たまみ ぶん

辻川奈美 え


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】かぐやひめ(こどものとも2025年8月号)




 多くの人が知っている「竹取物語」の新しい絵本です。色彩豊かに描かれた美しい絵が読む人を魅了します。再話には、きめ細かい気配りが感じられます。

 主人公の「かぐやひめ」をめぐる数奇な物語は、今でも色褪せることはありません。竹から生まれ、やがて月に帰っていく。これほど豊かな想像力はどこから生まれたのでしょう。

 月から来るお迎えを阻止するため、帝は多くの兵士をそろえますが、誰も立ち向かうことが出来ません。月の人々の力は私たち人間のそれをはるかに凌駕し、人間は成す術もなく見守るしかないのです。

 かぐやひめは月に戻る前、月にいる自分と人間の関係が断たれることはないと示唆します。竹取物語は、月を人間にとっていっそう身近な存在にしています。(店主)


かぐやひめ(こどものとも2025年8月号)

中脇初枝 再話

中井智子 絵


福音館書店

2025年8月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】みんなの かきのみ(ちいさなかがくのとも2025年11月号)

 くわのみ書房の周りでも、多くの柿の木を見ることができます。秋になるとたくさんの実をつけます。  自分で柿の木から実を取って食べたことがある人も少なくないでしょう。柿はとても身近な果物です。  柿の木の高いところの実がそのまま残っているようすをよく見かけます。これは鳥などの生き物...