ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年1月29日水曜日

【本の紹介】リパの庭づくり




 腕のいい庭師のリパが、荒れ放題になったリシュカおばあさんの庭を見事によみがえらせるお話です。生き生きとした庭は人々にたくさんの贈り物をしてくれます。

 リシュカおばあさんは花を育てるのが大好き。でも、リパが訪ねていくと、きれいだった庭には草が生え、家はツタに覆われていました。

 猫のマリーがいなくなってしまい、リシュカおばあさんはすっかり元気を失っていたのです。リパは「わたしが、お庭を きれいにする」と宣言します。そうすればマリーもきっと帰ってくると信じたリパは、野鳥のシーコルを相棒に、庭づくりに着手しました。

 リパの丁寧な仕事ぶりが庭づくりの楽しさを伝えます。柔らかいタッチの絵はシルクスクリーンの手法で描かれ、春の暖かい陽射しを思い起こさせます。(店主)


リパの庭づくり

福井さとこ 作・絵


のら書店

2022年11月8日発行

定価(本体1500円+税)


#くわのみ書房

2025年1月28日火曜日

【本の紹介】カエデのあまいみずーメープルシロップの はなしー(かがくのとも2025年2月号)



 メープルシロップの作り方を紹介する絵本です。ホットケーキにかける、あの茶色のシロップです。

 メープルシロップは木のカエデから作ることは知っていました。でも、具体的な作り方は知りませんでした。興味津々に読んでみました。

 アケゲラが教えてくれたのでしょうか。原料はカエデの幹から取れる水です。冬の終わりから春の始めの短い期間にだけ作られる特別な水。それは「ほんのすこーしだけ あまい?」

 食べ物の少ない季節のご馳走から作られたメープルシロップ。とても貴重な甘味です。(店主)


カエデのあまいみずーメープルシロップの はなしー(かがくのとも2025年2月号)

佐武絵里子 さく


福音館書店

2025年2月2日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年1月24日金曜日

【本の紹介】みっつのふえをもらった ヤーノシュ(こどものとも2025年2月号)



 ハンガリーの昔話の絵本です。ありえないことを自然に語る昔話を幻想的な絵で描きます。

 貧しい夫婦にヤーノシュという息子が一人おりました。成長したヤーノシュは仕事を探して旅に出ます。旅の途中、あり、カラス、さかなを助けて、そのお礼に笛をもらいます。全部で3つの笛。それぞれ、困ったときに吹いてごらんといわれます。

 ヤーノシュは小さな小屋に一晩泊まらせてもらいます。そこで暮らすおじいさんは、高い山の上に建つ黄金のお城の王様が召使いを探していると教えてくれました。お城で仕事をすることになったヤーノシュ。王様は無理難題を吹っかけますが…。

 空や海に空想が広がり、スペクタクルなお話です。一方で、素朴な願いが叶って終わる結末に、ちょっと驚かされるかもしれません。(店主)


みっつのふえをもらった ヤーノシュ(こどものとも2025年2月号)

洞野志保 再話・絵


福音館書店

2025年2月2日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年1月23日木曜日

【本の紹介】まがりまーす とまりまーす(ちいさなかがくのとも2025年2月号)



 自動車はよく光を「チッカ チッカ チッカ」させています。これからどうしたいか、周りの人たちに光で知らせているのです。

 例えば、交差点で右に曲がりたいとき、右側のオレンジ色のランプを光らせます。止まろうとするときには、後ろの赤い色のランプが光ります。光を使って「まがりまーす」「とまりまーす」とお話しているのです。

 この絵本を読み進めると、交差点の向こうで幼稚園のバスが止まっている場面が出てきました。左右両方のオレンジ色のランプが点いたり消えたりしています。何をお話しているのでしょう? これは「しばらく とまりまーす」といっているのです。バスの扉が開いて、子どもたちがゾロゾロと降りてきました。

 光を点けたり消したりするだけで、いろいろなお話ができるようです。面白いですね。自動車に乗る楽しみを増やしてくれる絵本です。(店主)


まがりまーす とまりまーす(ちいさなかがくのとも2025年2月号)

鎌田歩 さく


福音館書店

2025年2月2日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年1月22日水曜日

【本の紹介】あさのどうぶつえん(こどものとも年少版2025年2月号)



 動物園の開演前のようすを描いた絵本です。朝早い動物園で動物たちは朝ごはんを食べています。

 動物たちの食事を運ぶ飼育員はとても嬉しそうです。みんなの喜ぶ姿が目に浮かぶのでしょう。

 ペンギンはのんびり待っているように見えますが、食事が始まると目が真剣になっています。空腹のせいで切羽詰まったのか、インコはちょっと苛立っているみたい。でも、食べ始めたら落ち着きました。

 それぞれ個性的な動物たちのようすが面白い。なかでもカバくんの迫力には圧倒されます。動物たちのお食事タイムに合わせて、動物園に行ってみるのも楽しそうですね。(店主)


あさのどうぶつえん(こどものとも年少版2025年2月号)

藤島由美


福音館書店

2025年2月2日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】ほわほわさん ぴかぴかさん(こどものとも0.1.2. 2025年2月号)



 この絵本の作者は「生き物」が大好きで、生き物を見ていると、とても幸せな気持ちになるようです。そんな幸せな気持ちが子どもたちにも伝わりますように。作者はそう願っています。

 小さい子どもたちにも、いつか生き物と出会うときがやってきます。お互いに目と目を合わせて気持ちが通じ合えば、子どもたちに幸せな気持ちが浮かびます。

 やがて子どもたちは、世界にはたくさんの生き物がいることを知るでしょう。この絵本の作者はそうした生き物を「ほわほわした生き物」と「ぴかぴかした生き物」に分けて紹介しています。「ほわほわさん」と「ぴかぴかさん」です。

 それぞれ別の生き物ですが、ご挨拶をして一緒に遊べばとても楽しそう。この世界には、きっと楽しいことがたくさん待っています。(店主)


ほわほわさん ぴかぴかさん(こどものとも0.1.2. 2025年2月号)

おくはらゆめ 作


福音館書店

2025年2月2日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年1月21日火曜日

【本の紹介】どんなところか あててごらん?




 9月の気持ちのよい朝。今日はテレーザにとって、とても大事な日です。大冒険の最初の一日です。

 パパが連れて行ってくれる約束です。「みじかい ぼうけんだけど、このさき ながく つづくんだ」「すぐ ちかくに あるけど、きっと テレーザを とおくまで つれていってくれるよ」。パパの説明はよく分かりません。

 パパは「どんなところか あててごらん?」と聞いてきます。テレーザが答えても、パパは「はんぶん あたりで、はんぶん はずれ」というばかり。さて、テレーザはいったいどこに行くのでしょう。

 生き生きとした筆使いの絵が子どもの想像を膨らませます。テレーザとパパが着いた場所は、学校でした。楽しい学校生活のスタートを後押しする絵本です。(店主)


どんなところか あててごらん?

キアラ・カルミナーティ 文

ルチア・スクデーリ 絵


工学図書(山烋のえほん)

2024年9月24日発行

定価(本体1,800円+税)


#くわのみ書房

2025年1月17日金曜日

【本の紹介】窓の向こう、その先に



 小学5年生の女の子が主人公のお話です。思春期間近の子どもの心情が瑞々しく描かれます。

 主人公の名前は穂乃果。作文の授業で「わたしの一番すきな場所」というテーマが与えられ、穂乃果は自分の家のリビングルームの窓を思い浮かべます。

 窓から電車が見えるのです。穂乃果は、いつも同じ時間、同じ電車に乗っているおじいさんが気になっていました。おじいさんも窓越しにみている穂乃果に気づいたのか、いつのころからか手を振るようになっていました。結局、穂乃果は、作文には窓ではなく、駅前の小さな公園のことを書きました。そして、その小さな公園で、穂乃果はおじいさんと出会うことになるのです。

 おじいさんとの出会いから、穂乃果の世界は少しずつ広がり始めます。揺れ動く子どもの心が伝わります。表紙の絵を含め、素敵な装丁も魅力的です。(店主)


窓の向こう、その先に

田村理江 作

北見葉胡 絵


岩崎書店

2024年11月30日発行

定価(本体1,500円+税)


#くわのみ書房

2025年1月14日火曜日

【本の紹介】ちいさなゆめが あったなら



 独特な雰囲気を持った絵にリズミカルな文章が絡まり、読む人を軽やかに別世界へと導きます。そこは小さな子どもが自由に空想を広げる世界です。

 描き込まれた絵は空想の世界です。空想の産物が名前をもらい、現実のものとして感じられるようになります。

 この絵本は小さな子どもが見た夢の世界を描いているようです。小さな子どもの小さな夢。そこでは魔法のように、子どもの願いがぜんぶ叶うのです。

 ページを広げると、たくさんのお話が浮かび上がってきます。ゆっくりと味わってみてください。(店主)


ちいさなゆめが あったなら

ニーナ・レイデン:文

メリッサ・カストリヨン:絵

よしざわたまき:訳


工学図書(山烋のえほん)

2024年8月26日発行

定価(本体1,800円+税)


#くわのみ書房


2025年1月11日土曜日

【本の紹介】ひとのなみだ



 平和を願う心から生まれた絵本です。もうすぐ現実になるかもしれない世界を描き、私たちに強い警告を発しています。

 その世界では、ロボットが戦争に行きます。無人のドローンも飛んでいくでしょう。

 テレビは倒した敵の数字を伝え、人々はわくわくしています。人々はロボットがしていることをうすうす知っていても、知らないふりをして遊び続けているのです。

 突然、テレビに戦争の姿が映し出されました。知ろうとしなかった本当の姿です。ロボット同然だった人の心が戻っていきます。涙を流しながら、人に戻っていくのです。(店主)


ひとのなみだ

内田麟太郎 文

nakaban 絵


童心社

2024年6月30日発行

定価 本体1600円(税別)


#くわのみ書房

2025年1月10日金曜日

【本の紹介】新装版 輪切り図鑑 クロスセクション 18の建物や乗物の内部を見る



 大人も驚くほど、見応え、読み応えのある絵本です。大きな建物や乗物を輪切りにして見せてしまうという大胆な試みに挑みました。

 対象になるものは、キャッスル(城)、天文台、カテドラル(大聖堂)などの建物と、大洋航路客船、潜水艦、ジャンボジェットなどの乗物。その数は全部で18に及びます。

 輪切りにして、その形や中の構造を詳しく描きます。主要な部分の解説があり、その使われ方なども語られています。一つひとつの「部分」を統合し、全体が形作られることを実感します。

 輪切りの対象には、海底油田や自動車工場、地下鉄の駅といった、ちょっと想像もつかないようなものも含まれます。1992年発行の書籍の新装版。本書のアイデアはまだまだ古びることはありません。(店主)


新装版 輪切り図鑑 クロスセクション 18の建物や乗物の内部を見る

スティーヴン・ビースティー 画

リチャード・プラット 文

北森俊行 訳


岩波書店

2024年10月29日発行

定価(本体2700円+税)


#くわのみ書房

2025年1月8日水曜日

【本の紹介】そのなかには……?(ちいさなかがくのとも2025年1月号)



 私たちの好奇心が疼きます。「中はどうなっているのかな?」

 みかんを題材にその好奇心を満たしてくれる絵本です。丁寧な精密画で私たちを魅了します。

 1つの大きな箱があります。その中には、たくさんのみかんがあり、その中からみかん一つを取り出します。皮を剥くと、その中には房のかたまりがあり、かたまりを分けると、たくさんの房になり、その中から房一つを取り出します。また皮を剥くと、その中には…。

 一つの大きなものは、たくさんの小さなものの集まり。その逆に、たくさんの小さなものが集まれば、一つの大きなものになる。一つがたくさん、たくさんが一つ。面白いですね。私たちの身の回りには、そうしたものがいろいろあります。探してみましょう。(店主)


福音館書店

2025年1月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【本の紹介】あっちゃんのおせち日記(たくさんのふしぎ2025年1月号)



 元旦の朝、家族でお雑煮とおせち料理を食べるところからお話が始まります。長野県の伊那谷に暮らす女の子の一家の1年を描きます。
 女の子の名前は「あっちゃん」。小学校3年生です。あっちゃんの家のおせちは、おとうさんとおかあさんが育てた野菜を使ってつくります。
 あっちゃんのお家は農家です。野菜とお米を作り、ニワトリも育てています。おせちを食べながら、おかあさんがあっちゃんにいいました。「今年は4年生になるし、来年のお正月の栗きんとんは自分で作ってれば?」
 あっちゃんのお家のおせち料理作りは畑から始まります。栗きんとんも、畑で苗から育てたサツマイモで作ります。美味しい料理を食べられるのも農家のお仕事があってこそ。あっちゃんは、来年はカボチャのコロッケを作るようです。おとうさんとおかあさんに「最高のカボチャ、育てるよ!」と宣言しました。(店主)

あっちゃんのおせち日記(たくさんのふしぎ2025年1月号)
さげさかのりこ 文・絵

福音館書店
2025年1月1日発行
定価810円(本体736円+税10%)

2025年1月4日土曜日

【本の紹介】マッコウクジラ(かがくのとも2025年1月号)



 マッコウクジラの生態を丁寧に描いた絵本です。なかなか知る機会のないマッコウクジラの暮らしぶりは驚くことばかりです。

 マッコウクジラの群れが、頭を上に向け、縦の姿勢で輪になって並んでいます。大人のメスクジラとその子どもたちです。ゆっくり休んでいる姿だそうですが、「カチカチ」と音を出して、何やら会話もしているそうです。

 メスと子どものクジラは群れをつくって生きいますが、オスは大人になると、1頭だけで暮らすようになります。メスが海の中で息を止めていられるのは40分くらい。それに対し、体の大きなオスは1時間半も息をしないままで大丈夫。だから、メスよりも深いところまで潜ってエサを取りに行くことができます。オスクジラが獲物のダイオウイカを食べてしまうようすは圧巻です。

 この絵本は長年の研究成果から得た科学的な情報に基づき、マッコウクジラの生態を紹介しました。でもマッコウクジラについては、まだまだ知らないことがたくさんあるそうです。(店主)


マッコウクジラ(かがくのとも2025年1月号)

加藤秀弘 ぶん

大片忠明 え


福音館書店

2025年1月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年1月3日金曜日

【本の紹介】おやすみしりとり(こどものとも2025年1月号)



 あったかい気持ちになれる絵本です。友だち同士の会話に思いやりが溢れています。

 雪が降っています。大きな木の下に洞穴のお家があり、クマくんが冬眠しようとしています。でも、クマくんはなかなか眠れません。

 そこでクマくんは、仲良しのキツネくんを呼び、「ぼくが ねむくなるまで、いっしょに しりとりをしてくれないかな」と頼みました。キツネくんはにっこり笑って「いいよ!」と応えます。さあ、しりとり遊びの始まりです。

 クマが冬になって街中に現れるというニュースをよく聞くようになりました。自然環境の変化もあり、スムーズに冬眠に入れないクマもいるようです。この絵本では、クマくんはキツネくんとしりとりをたっぷり楽しんで眠りにつくことができました。よかったね、クマくん!(店主)


おやすみしりとり(こどものとも2025年1月号)

大原悦子 文

坂口友佳子 絵


福音館書店

2025年1月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

【ご報告】「お花見散歩2025」を開催しました!

 くわのみ書房は4月5日(土)、「お花見散歩2025」を開催しました。お天気に恵まれ、爽やかな一日をお散歩とお花見で楽しみました。  くわのみ書房を同日午前12時過ぎに出発し、途中のコンビニエンスストアに寄って飲み物や食べ物を調達。習志野市藤崎の森林公園を経由して鷺沼城址公園まで...