マッコウクジラの生態を丁寧に描いた絵本です。なかなか知る機会のないマッコウクジラの暮らしぶりは驚くことばかりです。
マッコウクジラの群れが、頭を上に向け、縦の姿勢で輪になって並んでいます。大人のメスクジラとその子どもたちです。ゆっくり休んでいる姿だそうですが、「カチカチ」と音を出して、何やら会話もしているそうです。
メスと子どものクジラは群れをつくって生きいますが、オスは大人になると、1頭だけで暮らすようになります。メスが海の中で息を止めていられるのは40分くらい。それに対し、体の大きなオスは1時間半も息をしないままで大丈夫。だから、メスよりも深いところまで潜ってエサを取りに行くことができます。オスクジラが獲物のダイオウイカを食べてしまうようすは圧巻です。
この絵本は長年の研究成果から得た科学的な情報に基づき、マッコウクジラの生態を紹介しました。でもマッコウクジラについては、まだまだ知らないことがたくさんあるそうです。(店主)
マッコウクジラ
加藤秀弘 ぶん
大片忠明 え
福音館書店
2025年1月1日発行
定価460円(本体418円+税10%)