シベリアの遊牧民の生活を描く写真絵本です。トナカイとともに暮らす遊牧民から、命を大切に思う気持ちが伝わります。
ロシア連邦の北に広がる地域はシベリアと呼ばれ、その中のツンドラ地帯にネネツという遊牧民が暮らしています。ツンドラ地帯は木も生えず、作物を収穫することはできません。
私たちには過酷と思われる環境で暮らすネネツの人々は、トナカイを飼いツンドラの地で生き延びてきました。トナカイは大切な食料となり、またその皮は衣服となります。ネネツの人が暮らすテントはトナカイの皮でつくるので、住居にもなります。トナカイを売って現金収入も得ています。
作者の長倉洋海さんは海外のグラビア雑誌でネネツの人々を初めて見て「カッコいいな」と思ったそうです。私たちに足りない部分をネネツの人々は備えていると感じたのでしょう。それが何なのか、この絵本を通じて探してみませんか。(店主)
トナカイに生かせれて シベリアの遊牧民ネネツ(たくさんのふしぎ2020年11月号)
長倉洋海 写真・文
福音館書店
2020年11月1日発行
本体700円+税
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