ブルガリアの昔話の絵本です。二人の対照的な女の子が、対照的な結末を迎えるお話です。柔らかいタッチの絵が読む人を昔話の世界に引き込みます。
マリイカは一人ぼっちの女の子。両親を亡くし、お金持ちのお屋敷で働いています。イワンカはそのお屋敷の娘。ふかふかのベッドで寝て、焼き立てのパンを食べています。マリイカは朝から晩まで一生懸命働きますが、こぼれたパンくずしか与えられませんでした。
ある日、マリイカはそんなお屋敷から逃げ出します。そして、森で熊と出会います。やさしいマリイカは熊から金貨がぎっしり入った壺をもらいました。怠け者で、いじわるなイワンカも森に行って熊から壺を手に入れます。でも、そこに入っていたのは…。
付録の「編集部だより」は、このお話の面白いところはマリイカがイワンカたちのお屋敷に戻らず独り立ちするところと指摘しています。マリイカは熊からもたった金貨を自分だけのための使うのではなく、困っている人や貧しい人たちを助けながら楽しく暮らし始めるのです。(店主)
イワンカとマリイカ(こどものとも2020年11月号)
八百板洋子 再話
大畑生野 絵
福音館書店
2020年11月1日発行
本体400円+税
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