シマフクロウの子どもが巣立ちを目指す姿を描いた絵本です。生きようとする健気な姿に胸を打たれます。
木の穴で育ったシマフクロウの子は外に出たことがありません。外は知らないもの、不思議な音、そしてこわいことでいっぱいです。それでも、シマフクロウの子は外に出たいと思いました。
シマフクロウの子は勇気を出して飛び出します。だけど、落っこちた! まだ飛ぶことができなかったのです。落ちたところは大きなフキの葉っぱの上。シマフクロウの子はこわくなり、大慌てでそばにあった木を登り始めます。「おりこみふろく」にある解説によると、実際にシマフクロウの子は毎日地上に「おっこちて」は数十メートル歩き、別の木に登ることを繰り返して、やがて羽ばたく力を付けていくそうです。もちろん、地上に落っこちたあとは危険がいっぱい。キツネなどに食べられてしまうこともあるそうです。
でも、こわがっているのはシマフクロウの子だけではありません。この絵本では、シマフクロウの子をこわがるカエルやリス、子育て中のキツツキの姿も描かれています。自然は複雑で奥深いことを感じさせる絵本です。(店主)
ふくろうのこ おっこちた(ちいさなかがくのとも2020年5月号)
あかしのぶこ さく
福音館書店
2020年5月1日発行
本体400円+税
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