ビーズくんは黄色のビーズ玉です。いつも家の中の片隅に転がっていて、みんなが寝静まった夜になると遊び始めます。
ある夜、いつものように一人でブランコ遊びをしていると、ふと自分の体に開いた穴のことが気になり始めます。おとうさんに聞いてみると、穴があるのは「つながるためさ」と教えてくれました。ビーズくんは気がつきました。穴が開いていれば、誰とでもつながることができる!
ビーズくんの仲間探しが始まります。まずは、こわれたおもちゃの部品です。「ころん ころん つーつつー」といって自分の穴に糸を通します。穴の開いた仲間は大勢いました。機械の部品、ボタン、迷子の宝石、かぎ、すず、小銭、穴の開いた貝殻、数珠玉、クリップ、チョコレートの包み紙、ストローや段ボールの切れっ端まで、本当にいろいろ。ビーズくんも仲間たちも「つながった! つながった!」と大喜びです。
つながることの楽しさを教えてくれる絵本です。つながるだけで、みんなウキウキしてきます。ビーズに穴があるように、私たちの心にも、ほんの少し余裕があるといいですね。そこに糸が通って、誰とでもつながることができると思います。(店主)
ビーズくん(こどものとも年中向き2020年5月号)
殿内真帆 さく
福音館書店
2020年5月1日発行
本体400円+税
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