朝早く、子どもがおとうさんと魚釣りに出かけるところからお話が始まります。魚を釣り上げたとき、子どもはどんなに喜んだことでしょう。その喜びを共有できる絵本です。
日の出の時間は魚が一番釣れやすいチャンスタイムだそうです。だから、釣り人は夜明け前のまだ暗い時間に家を出ます。子どもが飛び起きたとき、時計の針は午前3時を指していました。
釣りをしているうちに夜が明けてきます。空の下が金色に輝き始めたころ、釣竿の先がぴくぴく動きました。慎重に竿を上げると、太陽を背に躍動する魚の姿が見えました。「やった‼︎」
絵は丁寧に描かれ、好感が持てます。日の出前は楕円に描き、日の出以降は全面に描くという工夫を凝らしています。暗い時間帯から明るい日中に移るまでの光の量を表現しているのでしょうか。日の出前から始まる空の色の変化にも注目です。(店主)
ぼくのつり(こどものとも2020年5月号)
菅暸三 原案
かんかおる 作
福音館書店
2020年5月1日発行
本体400円+税
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