母と子の絆を描いた絵本です。二人が遠く離れていても、一緒に過ごした記憶があれば、絆は消えることはありません。
子どもはいつか母親の手を離れ、独り立ちしていきます。頭の中に残った記憶の多くは忘れ去られていくものです。
でも、記憶が残るのは頭の中だけではありません。それは手にも残り、母と子は手を取り合うことでお互いの記憶を再確認することができます。だから絆はいつまでも消えることはなく、二人を安心させることができるのです。
この絵本は血のつながりのある母と子を描いています。ただ、翻訳した落合恵子さんは最後のページに、血縁でなくとも、一緒に時間や記憶を重ねることで、一人の子どもと一人の大人を結びつけることがあると信じると書いています。大切に思う人がいるすべて人に、この絵本を贈りたいと思います。(店主)
その手がおぼえている
文/トニー・ジョンストン
絵/エイミー・ベイツ
訳/落合恵子
BL出版
2019年2月1日発行
本体1500円+税
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