小さな岩が川面から顔をのぞかせています。上が平らで、人が腰掛けるのにちょうどよさそうです。ここは山の中の小さな川。どんな一日が待っているのでしょう。
朝が来ました。トンボがやってきました。日の当たるところに止まり、しばらくの間、羽を閉じてじっとしていました。
次にやってきたのはセキレイです。岩に止まるとうれしそうに尾っぽをピョンピョンと振りました。次はカエル。でも、すぐに岩から飛び降りました。釣竿を持ったおじさんがやってきたからです。
この絵本は小さな岩を定点観察して出来上がりました。作者は何週間か通いつめて観察を続けました。なかなか面倒な作業です。面倒だけど面白い。一日は同じように過ぎても、どこか違っているからです。定点観察の面白さが伝わってきます。(店主)
ちいさないわのいちにち(ちいさなかがくのとも2019年5月号)
笠野裕一 さく
福音館書店
2019年5月1日発行
本体407円+税
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