この絵本の主役はオムライス、ではなく、「音」です。オムライスができあがるまでに聞こえてくる音に耳を傾けてみましょう。
まずケチャップごはんを作ります。ニンジンをみじん切りにしましょう。皮をピーラーで剥くときは「しゃっしょっしょっ」。斜めの輪切りにするときは「たくん たくん」。もっと小さく切ると「しゃぐっ しゃぐっ」「す すぁ すぉすぉすぉ」。ニンジンだけでも、いろいろな音が聞こえてきます。
この絵本の解説が折り込み付録に載っています。それを書いた杉山妙さんは「食品の『おいしさ』を測る方法を開発するために、料理の音を研究」しているそうです。おもしろそうな研究分野です。杉山さんは解説で、料理をするとき「なぜ音がするの?」という疑問に答えています。とても興味深く読みました。
音を楽しんでいるうちにオムライスができあがりました。音で想像が膨らみ、おいしいオムライスがますますおいしくなりました。「いただきまーす!」
おとがあふれてオムライス(ちいさなかがくのとも2019年1月号)
夏目義一 さく
福音館書店
2019年2月1日発行
本体389円+税
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