すずめは街中でもよく見かける鳥です。お馴染みすぎて、あまり気に留めない人が多いかもしれません。でも、この絵本でその生態を知ると、親しみがいっそう増してきます。すずめの見方が変わるだけでなく、鳥全般に対する理解も深まります。
すずめの子育てを描いた絵本です。公園で1羽のすずめが近くの屋根に向かって飛んでいきました。草をくわえて、屋根の隙間に入っていきます。実は、その中にすずめの巣があり、ここで子育てが始まります。
春から夏の間、えさをくわえたすずめを見かけたら、こっそり追いかけて行って耳をすませてみましょう。「しゃりしゃり」というひなの声が聞こえてくるかもしれません。近くに巣があって、お腹が空いたと鳴いているのです。「作者のことば」によると、6~8月ごろには、巣立ったばかりの子すずめを公園などで見ることもできるそうです。
夏の盛りが終わり涼しくなってくると、街中ですずめを見かける機会は減ってくるそうです。すずめは群れになってえさの多い郊外に出かけるからです。こうしたすずめの行動から、季節の移ろいを感じることもできるといいます。すずめと他の鳥の区別がつけば、街中の鳥の観察はいっそう幅が広がります。むくどりやひよどり、からす、しじゅうから、きじばと、はくせきれいなど、10種類くらいの鳥たちが普通に見られるそうです。街歩きがこれからいっそう楽しくなりそうです。(店主)
まちでくらすとり すずめ(かがくのとも2018年4月号)
三上修 ぶん
長島充 え
長島充 え
福音館書店
2018年4月1日発行
本体389円+税
0 件のコメント:
コメントを投稿