友だちづくりのお話です。はりねずみの坊やは原っぱの奥の巣穴で元気に暮らしていましたが、ある朝、友だちがほしくなりました。友だちがいれば朝ごはんに呼んで一緒に食べられるし、かくれんぼやでんぐり競争で遊ぶこともできます。はりねずみの坊やは友だち探しに出かけました。
いろいろな動物たちに会って友だちになろうとしますが、なかなかうまくいきません。たどり着いた森の中では、恐ろしいミミズクに食べられそうになります。すっかり疲れたはりねずみの坊やは「もう、ともだちなんか いらないや」といって、岩かげに隠れて眠ってしまいました。果たして友だちを見つけることはできるのでしょうか。
くわのみ書房の前を幼稚園や小学校の子どもたちがよく通ります。友だちと一緒だと、とても楽しそうです。4月になって新しく入園・入学する子どもたちにも、新しい友だちがいっぱいできるでしょう。でも、友だちづくりは、うまくいくこともいかないこともあります。この絵本が、なかなか友だちができない子どもたちに寄り添います。
さて、はりねずみの坊やは、最後によい友だちが見つかったようです。友だちを探している人は、きっと別の誰かから探してもらっているのです。だから、友だち探しが苦手でも大丈夫。そんな風にエールを送っている絵本です。(店主)
はりねずみのぼうやのおはなし(こどものとも2018年4月号)
小風さち さく
西平あかね え
福音館書店
2018年4月1日発行
本体389円+税
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