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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2025年11月15日土曜日

【本の紹介】イタリアの丘の町(たくさんのふしぎ2025年12月号)

 



 イタリアへの愛が詰まった絵本です。読む人をイタリアの「丘の町」に誘います。

 イタリアは、1861年に統一国家としてのイタリア王国の成立が宣言されるまでいくつもの小さな国に分かれ、それぞれの国は山の上に城壁をめぐらせた自分たちの町をつくっていました。山岳都市とも呼ばれるこれらの丘の町は、今でもイタリア各地に残っています。

 この絵本の作者の古山浩一さんは、年に一度、イタリアなどの古い街並みが残るところ訪ね歩き、スケッチを描いているそうです。この絵本では、イタリアのスカンノ、ボマルツォ、マテーラ、ラグーサ、ピティリアーノといった、あまり馴染みのない地名の町を紹介します。精緻なスケッチに目を見張ります。ペン先の太さが異なる約30本の万年筆を駆使して描きました。

 町全体を俯瞰するアングルがある一方、家の玄関の扉や人々の暮らしぶりに着目したスケッチもあります。イタリアの風を濃密に感じさせる絵本です。(店主)


イタリアの丘の町(たくさんのふしぎ2025年12月号)

古川浩一 文・絵


福音館書店

2025年12月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年11月14日金曜日

【本の紹介】くんくん すぴすぴ(ちいさなかがくのとも2025年12月号)




 犬は匂いを嗅ぐことが大好き。「くんくん すぴすぴ」と、鼻を興味のあるものにくっつけようとします。

 この絵本に登場するトイプードルの「ニコ」も、いろいろなものに鼻先を向けています。原っぱで出会った大きい犬とは、お互いにお尻の匂いを嗅ぎ合っています。どうしてかな?

 これは犬同士の自己紹介のような行動だそうです。絵本のおりこみふろくの解説によると、犬はお尻の近くにある肛門腺というところから出てくる匂いで、その犬の年齢、性別、そして健康状態まで読み取るそうです。犬はお尻の匂いを通じてお互いを知り、お友だちになるようです。

 犬の鼻って、すごいですね。犬のことを知れば、もっと犬と仲良くなれそうです。(店主)


くんくん すぴすぴ(ちいさなかがくのとも2025年12月号)

片川優子 ぶん

鈴木智子 え


福音館書店

2025年12月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年11月12日水曜日

【本の紹介】せんにんのいし(こどものとも2025年12月号)




 不思議な世界を旅する絵本です。旅をする主人公のボノさんは、青い服を着て、青い帽子を被り、赤い鞄を肩に下げて、なかなかカッコいい。

 ボノさんの前に突然、山によく似た石が現れます。石は何回捨てても戻って来ます。石から聞こえてくる声に導かれ、気づくとボノさんは大きな岩山のふもとに立っていました。

 声の主は「フラフラせんにん」でした。「そのみちをのぼってきておくれ」と言われたボノさんの旅が始まります。いくつか困難もありましたが、せんにんの手助けもあって、ボノさんは山の上まで無事たどり着くことができました。ボノさんはせんにんと出会い、二人仲良くお風呂に入って楽しそうです。

 ボノさんが旅した世界は、どうやら山のような形をした石の表面に広がっていたようです。ボノさんはもとの家に戻ることができました。せんにんのいしは、まだそこにあります。フラフラせんにんもしばらく、ボノさんの家にいるようですよ。(店主)


せんにんのいし(こどものとも2025年12月号)

たむらしげる


福音館書店

2025年12月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年11月11日火曜日

【本の紹介】ゆきが まちどおしい ヤチネズミさん(こどものとも2025年12月号)




 愛らしい動物たちの姿に惹き付けられます。雪の季節を背景に、動物たちのあたたかい物語を綴った絵本です。

 畑の隅にヤチネズミさんが暮らしています。雪が降ることを楽しみに待っているようです。

 やがて雪でお家の窓も埋まってしまいました。ヤチネズミさんは外に出て、雪を掘って進みます。雪の中を行けば、キツネにもテンにも、タカにもフクロウにも見つからず、安全なのです。

 ヤチネズミさんが訪ねた先は、ヒメネズミさんのお家。プレゼントを交換し、楽しい夜を過ごしました。自然の中で生き生きと過ごす動物たちを魅力的に描きました。(店主)


ゆきが まちどおしい ヤチネズミさん(こどものとも2025年12月号)

あかしのぶこ さく


福音館書店

2025年12月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年11月7日金曜日

【本の紹介】どっちからくるのかな?(こどものとも0.1.2. 2025年12月号)




 いろいろな乗り物が登場する絵本です。乗り物だから、動いて登場します。

 見えないところから登場します。見えなくても、音が聞こえてきます。

 「ウー ウー ウー」とサイレンを鳴らして消防車が来たようです。右か左か、どっちから来るのかな?

 あっちこっちから乗り物がやってきます。小さな子どもたちは何回も読むうちに、どっちから来るか分かってしまうでしょう。でも、きっと何回も繰り返し、この絵本を楽しむと思います。(店主)


どっちからくるのかな?(こどものとも0.1.2. 2025年12月号)

山崎杉夫 さく


福音館書店

2025年12月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年11月6日木曜日

【本の紹介】絵の中のどろぼう




 荒唐無稽なストーリーの絵本です。どろぼうが絵の中と外を自由に行き来します。

 どろぼうが隠れ場所に選んだのは絵の中でした。ここなら誰にも見つからないと思ったどろぼうは、そのまま眠り込んでしまいます。

 その後も、テンポよくお話が進みます。モノクロの絵はダイナミックな構図で、読む人の目を引き付けます。お話と絵がバランスよく調和し、リアリティのある不思議な絵本の世界を生み出しています。

 絵はいろいろな人の手に渡りますが、どろぼうはいつも一緒。絵を抜け出したり、また入り込んだり、好き放題ですが、最後は…。この面白いお話を書いた友部正人さんは長い間活躍するシンガーソングライターです。(店主)


絵の中のどろぼう

文・友部正人

絵・シズキコージ


架空社

2025年1月発行

定価(本体1500円+税)


#くわのみ書房

2025年11月4日火曜日

【お知らせ】YouTube でインタビュー動画がご覧いただけます!




 くわのみ書房店主のインタビュー動画をYouTube でご覧いただけます。25分間ほどの動画です。

 千葉県習志野市のひまわり保育園が開設するYouTubeチャンネル「100日後に友達いっぱい広報ラボ」でインタビュー動画を企画していただきました。くわのみ書房店主が初めてYouTubeに登場します。

 ひまわり保育園は習志野市で4つの小規模認可保育園を運営しています。広報活動の一環としてYouTubeチャンネルを開設し、情報発信に努めていらっしゃいます。

 くわのみ書房店主が書店開設の経緯や絵本に対する思いなど、たっぷり(?)語りました。どうぞお時間のあるときにご覧ください。(店主)


https://youtu.be/iduahO0oX5U?si=sUfZa8AYBl_nsJ3Z


#くわのみ書房

2025年10月30日木曜日

【お知らせ】「おうえんカレンダー」、販売中です!




 くわのみ書房は「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2026」を販売しています。1部1100円(税込)です。

 2011年、東日本大震災とともに東京電力福島第一原子力発電所事故が発生しました。原初事故の影響から子どもたちを守ろうという趣旨でこのカレンダーが作られるようになり、今回で10年目という節目を迎えます。

 カレンダーの絵を提供したのは12人の絵本作家。はたこうしろう、あおきひろえ、うさ、長谷川義史、村上康成、山福朱実、おーなり由子、どいかや、降矢なな、荒井良二、谷口智則、酒井駒子のみなさんです。原画展が全国各地で続いています。

 カレンダーを販売することで得られた収益は、被曝から子どもたちを守るための活動をしている団体に寄付されます。詳しくは一般社団法人応援カレンダープロジェクトのウェブサイト(http://12ehoncalendar.com)をご参照ください。(店主)


#くわのみ書房

2025年10月29日水曜日

【ご案内】宮田ともみ『くまさんのふーっ!』の一日原画展を開催します!


 絵本作家・宮田ともみさんの新刊『くまさんのふーっ!』が発売されました。くわのみ書房は『くまさんのふーっ!』の一日原画展を開催します。

 この絵本は、寒い寒いとためいきばかりついているくまさんが主人公。そんなことでは、ためいきぼうやがやってきて、楽しいことをぜんぶ吹き飛ばしてしまいますよ!

  元気よく北風と一緒にお外を駆け回り始めたくまさん。心も体もぽっかぽかになりました。

 優しいタッチの絵から、くまさんの温もりが伝わります。ぜひ原画をご覧になり、その暖かさを確かめてください。(店主)



くわのみ書房の一日原画展

-宮田ともみ『くまさんのふーっ!』-

 

日時:2025年12月6日(土)11:00-18:00

会場:くわのみ書房

入場無料

 

#くわのみ書房

2025年10月28日火曜日

【本の紹介】くまさんのふーっ!




 寒い季節を迎える中、あったかい気持ちになれる絵本です。北風と一緒に、ためいきなんて吹き飛ばしてしまいましょう!

 くまさんは寒い季節が嫌い。お友だちがお外で遊びましょうと誘いに来ても「行かないよ。ふ〜っ」とためいきばかりです。

 毛布をかぶってごろごろしていると、ママが「あらあら、ためいきぼうやがやってきちゃったのね」と教えてくれました。ためいきぼうやは「ふ〜っ」とためいきをついて、楽しいことをぜんぶ吹き飛ばしてしまうのです。くまさんはちょっぴり心配になりました。

 マフラーを巻いて帽子をかぶって、お友だちのお家に出かけるくまくん。ためいきぼうやとさよならできるかな?(店主)


くまさんのふーっ!

宮田ともみ


教育画劇

2025年10月25日発行

定価:本体1,300円+税


#くわのみ書房

2025年10月24日金曜日

【本の紹介】みんなの かきのみ(ちいさなかがくのとも2025年11月号)




 くわのみ書房の周りでも、多くの柿の木を見ることができます。秋になるとたくさんの実をつけます。

 自分で柿の木から実を取って食べたことがある人も少なくないでしょう。柿はとても身近な果物です。

 柿の木の高いところの実がそのまま残っているようすをよく見かけます。これは鳥などの生き物たちに分けてあげるためといわれています。

 柿が多くの生き物のご馳走になっているようすを丁寧に描いた絵本です。タイトルも、とても素敵です。本当に、柿の実はみんなのものですね。(店主)


みんなの かきのみ(ちいさなかがくのとも2025年11月号)

かわしまはるこ さく


福音館書店

2025年11月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年10月23日木曜日

【本の紹介】ニホンカモシカのパール(たくさんのふしぎ2025年11月号)




 ニホンカモシカと動物写真家の交流を描いた写真絵本です。カメラを見据えたニホンカモシカの目は、私たちに何を語りかけているのでしょう。

 ニホンカモシカは日本だけに見られる固有種で、本州、四国、九州に生息しています。名前に「シカ」とついていますが、ウシの仲間だそうです。

 動物写真家のこの絵本の作者は、なぜかニホンカモシカに「無性に会ってみたく」なり、青森県の下北半島の西の端に位置する脇野沢を訪れました。海岸ぞいの山々を何日も歩き回った末、ようやくニホンカモシカと衝撃的な出会いを果たします。それ以来、脇野沢に通うようになり、四季折々の姿を撮影するようになりました。

 2015年、春から夏に移り変わろうとする季節のある日、写真家の前に親子と思われる2匹のニホンカモシカが現れました。子どもはまだ産まれたばかりのようです。写真家は「パール」と名付け、その後の成長、そして親となって子育てするようすを見守ります。凛々しいその姿は、私たちに命の尊さを強く訴えます。(店主)


ニホンカモシカのパール(たくさんのふしぎ2025年11月号)

前川貴行 文・写真


福音館書店

2025年11月1日発行

定価810円(本体736円+税10%)


#くわのみ書房

2025年10月22日水曜日

【本の紹介】よる(かがくのとも2025年11月号)




 身近でありながら、なかなかうかがい知ることのできない世界があります。夜の世界です。この絵本が夜の世界を案内します。

 子どもがベッドで眠りにつきました。家の灯りが一つひとつ消えていきます。公園には誰もいません。神社には何かいる?

 でも、コンビニエンスストアは休むことなく、まぶしい光を放っています。電車の線路には点検作業中の整備員さんたち。大通りの道路工事も夜通し行われています。

 ほとんど黒一色で描いた夜の世界が美しく感じられます。間違いなく私たちの世界に繋がっていながら、遥か遠くにある別世界のようです。(店主)


よる

くらささら ぶん

嶽まいこ え


福音館書店

2025年11月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房

2025年10月21日火曜日

【本の紹介】とことこ くまさん(こどものとも0.1.2. 2025年11月号)

 




 こぐまの愛らしい姿に笑顔が浮かぶ絵本です。柔らかいタッチの絵は、こぐまの温もりも感じさせます。

 こぐまがとことこ、森の中を歩いています。お腹を空かせているようです。

 最初にはちみつを見つけました。手に取ってぺろぺろ舐めて美味しそう。続けてどんぐりも見つけます。森の中は美味しいものがいっぱいです。

 こぐまのうれしそうな表情が多くの共感を集めます。最後に見つけたやまぶどうは、木の上の方に実っていました。さて、こぐまはどうやって取るのかな? (店主)


とことこ くまさん(こどものとも0.1.2. 2025年11月号)

アヤ井アキコ さく


福音館書店

2025年11月1日発行

定価460円(本体418円+税10%)


#くわのみ書房


【本の紹介】イタリアの丘の町(たくさんのふしぎ2025年12月号)

   イタリアへの愛が詰まった絵本です。読む人をイタリアの「丘の町」に誘います。  イタリアは、1861年に統一国家としてのイタリア王国の成立が宣言されるまでいくつもの小さな国に分かれ、それぞれの国は山の上に城壁をめぐらせた自分たちの町をつくっていました。山岳都市とも呼ばれるこれ...