宇宙を研究する天文学者が過去と未来について考えました。過去から今、今から未来へ、私たち命ある者は分断されることなく、つながって存在していることを教えてくれる絵本です。
はじめは私たちの体を作る物質のお話です。私たちの体を作る原子は、私たちが死ぬと自然に戻り、その原子はやがて別の人や生き物の体を作ることになります。つまり、過去の生き物の原子が今の生き物の体を作り、今の生き物の原子は未来の生き物の体を作ります。私たち生き物の体は、過去から今、今から未来へとつながっているのです。
次に遠くのものを見ることについてのお話です。ものを見るということは、そこから光が飛んできて、その光を受け止めることにほかなりません。光が飛んで来るには時間がかかります。天文学では100億光年も離れた星を観察することがあり、それは100億年前という過去の光を今受け止めて見ていることになります。そして、今の私たちの姿も光に乗り、100億年先の未来に届くでしょう。私たちが生きる世界は、過去から今、今から未来へとつながっているのです。
少しややこしく難しいお話かもしれません。でも、可愛らしいイラストが分かりやすくサポートしてくれます。(店主)
過去と未来とわたしたち(たくさんのふしぎ2023年4月号)
藤沢健太 文
佐々木マキ 絵
福音館書店
2023年4月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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