少し未来のお話です。203X年7月、最新型の超深海潜水艦「ハデス12000」に乗って、海洋学者のラメール博士と、二人の日本の小学4年生が深い深い超深海の世界を調査する旅に出ます。
海を潜り始め、深さ200メートルから先になると光が届かず、ほとんど真っ暗になります。そこから「深海」と呼ばれるようになり、さらにもっと深く6000メートルを超えると「超深海」と呼ぶようになるそうです。
深さ6000メートル以上の海の底で、細長い溝のような場所を「海溝」といいます。ハデス12000は、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝、トンガ海溝を巡ります。日本海溝は最深部の深さが8000メートルを超える世界有数の海溝。そして、マリアナ海溝は世界で最も深く、深さ約10920メートルに達します。超深海にはいったいどんなことが待っているのでしょう。
今ある日本の有人潜水調査船「しんかい6500」が潜航できるのは、深さ6500メートルまでだそうです。だから、ハデス12000のお話はもう少し先のこと。早く実現できるといいですね。
そして、残念なことに、日本海溝の深さ6000メートルくらいの場所を調査すると、そこにはプラスチックのゴミ袋やポテトチップスの入っていた袋、空き缶など、人間の出したゴミが見つかるそうです。今、大きな問題となっているマイクロプラスチックも深海に届いているそうです。地球を知ることは、環境問題への関心につながると思います。(店主)
超深海への旅(たくさんのふしぎ2025年8月号)
蒲生俊敬 文
関口シュン 絵
福音館書店
2025年8月1日発行
定価810円(本体736円+税10%)
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