「まんなか」について考えてみる絵本です。あらためて考えてみなくても、まんなかなんてすぐ分かりそうですが、そう簡単には行かないようです。
丸い形のまんなかは、すぐ思い浮かべることができます。丸の中心がまんなかです。線の形でも中心がまんなかです。長い紐で例えてみると、半分の長さになるよう二つ折りにしたところ。また、重さでまんなかを探してみると、形で探したまんなかとはずれてしまうことがありますが、まんなかを見つけ出すことはできます。「重心」といったりします。
さて、一列に並んだ子どもたちで考えてみましょう。3人の子どもが並べば、誰がまんなかなのか、すぐ分かります。4人の子どもでは、誰がまんなかなのか決められませんが、列のまんなかはどこか分かるでしょう。5人の子どもでも、誰がまんなかなのか分かります。では、5人の子どもたちが手をつないで輪になると…。おや、まんなかは誰なのか分からなくなりました。
輪になると「端っこ」が無くなります。「端っこ」が無いと、まんなかも無くなってしまうのです。この絵本は最後に、私たちが存在する宇宙にまんなかがあるのか、端っこがあるのか問いかけています。その答えを追い求める人になってみませんか?(店主)
まんなか(かがくのとも2024年2月号)
池内了 ぶん
東海林巨樹 え
福音館書店
2024年2月1日発行
定価440円(本体400円+税10%)
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